高市早苗首相(左)と麻生太郎自民党副総裁(右)。ふたりの間には、隙間風が吹いているとみられているが......
2024年、岸田文雄政権によって自民党の派閥はそのほとんどが解散した。
なぜ自民党議員は今、再び徒党を組まんと活発に動いているのか? 怪奇な党内力学の変化に迫った!
【再び盛んになる「木曜の定例会」】衆参合わせて417人。巨大勢力となった高市早苗首相率いる自民党で今、なぜか〝派閥復活〟の動きが起きている。
裏金問題への反省から自民の派閥が次々と解消へと動いたのは岸田文雄政権下の2024年春のこと。
「麻生派だけは領袖(りょうしゅう)の麻生太郎副総裁が解消に頑として応じずに派閥として存続しましたが、それ以外はきれいさっぱりなくなってしまった。
その後は旧派閥の有力者が勉強会や議員連盟を立ち上げ、そこに議員が個人として参加するくらいで、かつての派閥のように組織だった議員グループ化の動きはありませんでした」(全国紙政治部デスク)
それが今回の衆院選大勝を受け、旧派閥グループが相次いで会合や食事会を開くことに。そのいくつかの例を紹介しよう。
〇2月25日、萩生田光一幹事長代行、西村康稔(やすとし)党選対委員長ら、旧安倍派グループ約20人が赤坂の高級中華料理店で食事会。
〇同日、岸田文雄元首相、木原誠二元官房副長官ら、旧岸田派議員ら30人(初当選組12人含む)が都内焼き肉店で会合。
〇同日、尾崎正直(まさなお)官房副長官ら、旧二階派議員らが初当選議員4人を連れて、都内天ぷら店に集結。
〇2月26日、林芳正(よしまさ)総務相、小野寺五典(いつのり)党税調会長ら、旧岸田派議員約20人が赤坂のフグ料理店で会合。
〇同日、茂木敏充外相ら、茂木グループの15人が国会内の一室で昼食会。
前出の政治部デスクが言う。
「いずれの会合も特別国会が召集された2月18日の翌週に集中している点がミソ。高市1強体制が喧伝され、世間は自民が高市首相の下、団結して国会対応に当たっているかのように思っているかもしれませんが、実態はバラバラ。
肥大化した自民党内でどうすれば自らの影響力を行使できるか、各グループが鵜の目鷹の目で走り回っているんです」
こうした旧派閥グループの動向で、永田町ウオッチャーが特に注目しているのが、2月26日の木曜日に茂木グループが開いた昼食会だ。
かつて自民党では派閥を定義する「派閥3要件」と呼ばれるものがあった。それは、
①派閥の事務所がある。
②派閥専用の資金管理団体がある。
③定例会を開催している。
この3点が備わって初めて派閥と認定されたわけだ。政治部デスクが続ける。
「③の定例会ですが、各派閥とも毎週木曜に昼食を食べながら、と決まっていました。例えば清和会(旧安倍派)なら、自民党本部8階にある『リバティークラブ』で毎週木曜正午きっかりに開かれる。
なぜ、各派閥とも同じ時間帯に定例会を開くことが不文律となっていたのかというと、それは議員の派閥かけ持ちを防ぐためです。
もちろん、派閥が解消されて以降は、木曜の定例会もなくなっていた。
「ところが最近、勉強会や議連が木曜の昼に開かれることが増えてきたんです。2月26日の茂木グループの昼食会はその典型例です。木曜定例会が復活すれば、議員のグループ囲い込みにも拍車がかかる。自民党内ではこうした動きを派閥回帰の兆しと受け止める向きが増えています」
【「派閥2.0」の3類型】高市自民の足元で復活しつつある現在の派閥(的なもの)は、大きく3つの類型に分けられる。
ひとつ目は高市首相を中心に新しい政治的な固まりをつくろうという動きだ。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。
「旧安倍派と積極財政議連に集まる議員らが〝高市首相応援団〟を形成する動きを強めています。旧安倍派は憲法9条改正や安保強化といった右派的政策で、高市首相の政策と親和性が高く、緩やかに再結集をしようとしています。積極財政議連は赤字国債を発行してでも財政を拡大すべきという考えで、当面は首相を支える立場です」
2月の総選挙で当選した旧安倍派の衆院議員は39人にも上る。裏金問題で党員資格停止処分などを食らった萩生田氏、西村氏、松野博一氏といった幹部らも、それぞれ幹事長代行、選対委員長、組織運動本部長の要職に返り咲いた。
積極財政議連にも初当選組66人中48人が大挙して加入し、121人に膨らんでいることを考えれば、このふたつのグループは首相にとって頼もしい存在だろう。ただ、高市氏は自ら派閥をつくろうとする動きは見せていないし、この応援団も「高市派」とは名乗っていない。そのため永田町ではしばしば彼らを「別動隊」などと呼んでいるという。
ふたつ目は「アンチ高市」グループだ。その中心は石破茂前首相、岩屋毅前外相、村上誠一郎前総務相ら、石破政権で要職を務めた議員たち。
「いずれも党内では穏健保守、リベラル保守に分類され、タカ派的色彩の強い政策を好む高市首相には批判的。現在、旧石破派や無派閥を中心に20人ほどの議員がグループ化を模索していると聞いています」(前出・政治部デスク)
3つ目は高市応援団とアンチ高市派の中間組。状況に応じて支持にもアンチにもなる構えのグループで、麻生派、茂木グループ、旧岸田派などの名前が挙がる。
その筆頭は茂木グループと共に先の総裁選で高市候補を推し、現政権の生みの親となった麻生派だろう。自民国会議員の秘書が言う。
「総選挙後、66人の初当選議員を麻生氏が熱心にリクルートする姿が党内で話題になりました。
その結果、新人議員11人を含む18人が新たに加わり、麻生派は42人から60人の勢力となりました。
その麻生派だが、情勢次第では高市首相と距離を取ることもありうるという。前出の鈴木氏が言う。
「麻生派は高市首相のすべてを推しているわけではない。麻生氏の目標は派閥を率いる党内のキングメーカーとして政権与党最大の影響力を持つこと。そのために党内パワーを維持する目的で高市氏を総理総裁に担いだ。だから、首相の支持率が落ちたり、麻生氏の意に反するようになれば、別の〝弾〟に乗り換えることになるはずです」
先の総裁選で小泉進次郎防衛相、林総務相を推すふたつのグループに分裂した感のある旧岸田派も中間組に分類できる。
「ただ、旧岸田派は財政規律重視、選択的夫婦別姓やLGBT理解増進法容認などの点で、高市首相とのタカ派的政策とは距離がある。同じ中間組の麻生派、茂木グループより石破さんや岩屋さんらのアンチ高市グループに近い立ち位置にあると言えます」(前出・自民議員秘書)
派閥回帰はさらに加速する
自民が派閥回帰ムードになったのは、高市首相の〝群れたがらない性質〟とも関係しているようだ。自民中堅国会議員が言う。
「66人の初当選組は高市人気で当選してきただけに、できれば〝高市派〟に所属して政治活動したがっている。ところが、群れるのが嫌いな首相は旧派閥のような支持母体がない。
そのため、初当選組の多くがポスト配分や新人議員教育、秘書採用支援といった派閥本来の機能を求めて、旧派閥グループの門を叩いているんです。
自民の派閥回帰は今後さらに加速すると指摘するのは、元経済産業省の官僚・古賀茂明氏だ。
「党の規模が大きくなればなるほど、主導権確保のために多くの数が必要となり、グループ単位でまとまろうという動きになる。来年9月には自民総裁選、2年後の夏には参院選がある。
このふたつの選挙を見据え、すでに旧派閥グループは走り出しているように見えます。そう考えると、自民党内に起きつつある派閥回帰の動きは強まることはあっても、弱まることはないでしょう」
派閥全盛の時代、自民はしばしば激烈な派閥間抗争を演じてきた。となると、現在は高市1強体制の下、安定しているように見える自民が再び対立へと突入することになるのか?
「自民が割れるテーマがあるとすれば、それは対中外交でしょう。レアアースの備蓄が尽きる夏以降、そして今年11月に中国・深圳で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、対中関係をどうマネジメントするか。党内で深刻な意見対立が起こるはず。
そのとき、旧派閥グループが対中融和に転じるのか、対中強硬を維持するのかで、党内力学は大きく変化する。高市首相の対応次第によっては自民内のムードが高市応援からアンチ高市へと、大きく潮目が変わることになるかもしれません」
野党の弱体化著しい国会で、高市政権のブレーキ役になれるのは自民党内にしかいない、というのが現実のようだ。
写真/共同通信社





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