総合的な貢献度がわかる「WAR」で野球を楽しむ!【山本萩子の...の画像はこちら >>

野球の「WAR」について語った山本キャスター

スポーツのニュースサイトを見ると、打率、ホームラン、打点、勝利数、防御率といった数字が並んでいますね。今はまだ気が早いですが、首位打者、ホームラン王、最多勝利のタイトルが誰になるのかを予想しながら楽しむ方も多いことでしょう。

ここ数年は、評価の指標となる数値の種類が増えてきています。OPS(長打率と出塁率を足した値)などは一般的になってきましたが、多様な視点から選手を評価しようという取り組みです。

その中で日本でもかなり浸透してきているのが、WARです。「Wins Above Replacement」の略で、選手の総合的な貢献度を評価する指標。「平均的な選手」に比べて、どれだけチームに勝利をもたらしたかを数値にしたものです。

WARは、攻撃、守備、走塁に加えて、ポジションごとに補正したものをトータルした数字になります。たとえば、捕手やショート、センターなどは守備での貢献度が高いため、評価点がプラスされます。また、選手が試合に出ること自体も評価されるようです。

WARの算出方法については、構成するデータの違いなどから運営するサイトなどによって異なりますが、それぞれが一定のものさしで、打撃だけでなく守備の貢献など、選手の総合評価を比較できる数値として信頼されています。アメリカではMVPを決める際にも重視される指標ですが、日本でもDELTA社が出しているものは(有料ですが)誰でも見ることができます。

さて、今日の本題に入りますが、現在パ・リーグ野手のWARでトップにつけているのがオリックスの渡部遼人選手です。

現段階でスポーツサイトを見ても、個々の主要な打撃成績ランキングでは、渡部選手の名前は出てきません。

そういったサイトには「打率、出塁率、長打率、OPS、得点圏打率は規定打席数以上の打者のみ表示」と注意書きがありますが、規定打席の基準(試合数×3.1)を満たしていない渡部選手の数字は表示されないわけです。

総合的な貢献度がわかる「WAR」で野球を楽しむ!【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第216回
みなさんがよく見ている指標などもぜひ教えてください。

みなさんがよく見ている指標などもぜひ教えてください。

しかし野手WARについては、NPB全体で見ても阪神の佐藤輝明選手に次ぐ2位。ちなみに佐藤選手は、打率と打点がリーグ1位で、HR数が2位。この調子で活躍を続ければ、間もなく各ランキングに名を連ねることでしょう。ちなみにWARの数値が「1」だと、1勝分の貢献をしたということですが、渡部選手の今の数値は1.7です。

渡部選手は特に走力や守備力が注目される選手でした。センターの守備力はピカイチで、守備範囲の広さと落下地点に入るまでの速さはプロ野球全体でもトップクラス。それに加えて今年は、打撃が開花。優れた選球眼に加え、小柄ながら引っ張りの打球をスタンドに運ぶなど、バッティングでも好調のオリックスを牽引する存在となっています。

今ではWARを基に、相手チームの主力選手に注目している方もいるかもしれませんね。ちなみに、昨年の野手WARトップはやはり阪神の佐藤選手で、数値は「8.6」。

阪神は2位に13ゲーム差をつけてリーグ優勝しましたが、どれだけ佐藤選手の活躍が大きかったかがわかります。

野球を楽しむための要素として、数字は欠かせないものになりました。近年、メジャーではバックスクリーンに、先週もご紹介した「xwOBA」など、より細かなスタットキャストのデータが表示される球場も増えてきていますが、日本でもより多彩な情報が表示されるようになるかもしれませんね。

データは、野球を楽しむための"おかず"のようなもの。これからもデータに注目して、野球を楽しみたいと思います。

総合的な貢献度がわかる「WAR」で野球を楽しむ!【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第216回

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

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