100万部の大ベストセラーとなった絵本『いつでも会える』の作者・菊田まりこさんの新作『ハッピーリレー』が河出書房新社より発売された。
 元々、ウェブ上での連載から始まったという本作は、365日分の素敵なハッピーを詰め込んだイラストエッセイ集。
読んでいると心がポジティブになる、寒い冬にピッタリの一冊となっている。
 今回、新刊JP編集部は作者の菊田まりこさんにインタビューを敢行し、ハッピーの源泉について問いかけてみた。また、オンラインブックガイド・新刊JPの特集ページでは『ハッピーリレー』を動画化。こちらも要チェックだ


―web連載をはじめた時の、「ハッピーリレー」のコンセプトについて教えてください。

「この本のもとになったWEBでの連載のコンセプトには、ハッピーをみつけて、広げて、繋がろう、というのがありました。
投稿型でハッピーをたくさんの人と共有するというのが目的でした。」

―1冊の中に365日分のハッピーが詰まっていますが、すべて菊田さんが感じたハッピーを表現されているのでしょうか?

「そうです。基本的に私の感じたハッピーです。ただ、それを私ではないキャラクターに思いを載せて描いてます。そういう方法をとったのは、たくさんの人に、たくさんのハッピーのシチュエーションが伝わりやすいと思ったので。私のハッピーであると同時に、いつか誰かのハッピーになりえる可能性をみすえて、私からはじまるハッピーは、発信する前に、みんなのハッピーへと繋がるように変換して描かれて発信。。
というわけです。意識したわけではないのだけれど、自然とそんなスタイルで描きはじめました。WEB連載のコンセプトにも沿うように、という想いもありましたが、結果として、よかったなと思っています。人それぞれ、思いを載せやすいキャラクターがいて、自分のこととして愛着ももってもらったようです。収録の中には、担当編集さんのハッピーをプレゼントで描きおこしたのが、2つだけはいってます。」

―web連載時、ユーザーからたくさんのハッピーが投稿されていましたが、読者の「ハッピー」をお読みになっての感想は?

「いつも元気をもらっていました。「私のハッピーであると同時に、いつか誰かのハッピーになりえる可能性」の、その逆バージョンみたいな流れで、私が発信したハッピーは、ちがう「ハッピー」となって、また私へと戻ってきていました。
だから、ハッピーって、広げれば、繋がって、そしてまた私へと戻ってくるんだな、といまは、素直に思っています。」

―春・夏・秋・冬で構成されていますが、季節感を出すのに工夫した点はありますか?

「季節感をだす工夫は…とくに、なかったです。日本に住んでいればそれは自然とそうなってしまう。
季節感を感じてもらえたとすれば、ただ目に映るもの、心に留まるもののハッピーを日々拾い続けた結果でしょうね…。
四季折々の中を生きているな、という。今、私がいる、ありのままの世界です。」

―ご著書を拝読し、自分がハッピーになると、家族など周りの人達にもハッピーが広がっていくように感じました。ご執筆中、ハッピーの広がりを感じる機会は多かったのでしょうか?

「はい。
先の読者の投稿もそうですしね。ハッピーは広がる性質がありますね。
自分の状況が、人のハッピーをうまくキャッチできてとりこめる状況だったら、なおのこと、ぐんぐん勢いを増す性質があります。
でも、ハッピーを感じられない日々も、生きていればたくさんありますから、そういう時に、人のハッピーの視点にあやかったり、その時は、やっぱりおもえなくても、きっと心のどこかには、しまっておいて、いつか、どこかで、そのハッピーが心の引き出しから出てくることもありますので、その時に無理にとりこんでハッピーにならなくてもいいのではないかと思います。ハッピーかどうかは、人それぞれちがいますし、その時の自分の心が決めることです。なんにせよ、ハッピーにふれることは、自分の「糧」になります。

日々の自分の心に水をあげることも、容易になると思います。」

―読者が「My happy」を書き込めるようになっていますね。読者にはどのように使って欲しいですか?

「自由に…。かいてもかかなくても。
でも、こうしておくと、「My happy?えっ?なんだろう?」と、ひそかに
一瞬「ハッピー」について、まわりをみまわすかな、と。そこが、はじまりです…(笑)」

―最後に、読者にメッセージをお願いします。

「色々あるけど、それでも、なお、「ハッピー」をみつけだすと、なんとなく見えてくるものがあるんです。
「ハッピー」って、自分も、自分じゃない人も、支えられる想いだってこと。目に見えない力の効能を実証するのは難しいけど、でも、確かにそこには、強い作用があると思います。みなさんもハッピーをみつけて広げて繋がってみるとわかりますよ!」

(記事/川口絵里子)


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