フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠が、クラブで求められる役割などについて言及した。31日、ブンデスリーガが同選手のインタビューを伝えている。


 現在40歳の長谷部は、2014年夏にニュルンベルクからフランクフルトに加入した。チームの主力選手としてヨーロッパリーグ(EL)制覇やDFBポカール優勝を経験し、在籍10シーズン目となる今シーズンも、ここまで公式戦9試合に出場。12月に行われたバイエルン戦では試合終盤の82分からピッチに立ち、フランクフルトでのブンデスリーガ戦通算出場数を『230』に積み上げ、外国籍選手としてクラブ歴代最多出場記録を打ち立てた。

 そんな長谷部は今月18日で40歳に。誕生日は、「ドイツの習慣に従ってチームメイトに日本食を振る舞まいました」と明かし、「チームメイト全員を招待しました。みんなとても喜んでくれました」と当日を振り返った。


 また、現在のフランクフルトにおける最年長選手である長谷部は、自身がクラブで求められる役割について、「他の選手とたくさん話してアドバイスをするよりも、僕はむしろ若手選手に僕の日々の行動やサッカーに対する姿勢を示したいと考えています」と説明。ベテランになってもコンディションを維持し続ける秘訣を問われると、「プロの世界には、『これが本当に正しい方法だ』というひとつの正しい答えがあるとは思いません」と述べながら、「僕は常に自分がやるべきことを整理してそれを実践しています。僕がこれまでプレーできてきたのは、常にそのようにしてきたからだと思っています」とコメントしている。

 さらに、気になる現役選手としての今後については、「1日1日、1試合1試合に集中したいので、正直なところまだ先のことはあまり考えていません」と発言。続けて、「年をとってきているし、もちろん自分でもサッカーを長く続けられないことは理解しています。プロの選手としてサッカーをプレーできる残りの時間はあまり長くないと思うので、とにかく一瞬一瞬を楽しみたいと思っています。
とにかく今は、毎日を本当に楽しんでいます」と答えた。

 そして、自身のセカントキャリアに対しては、「もちろん、サッカーコーチになることも考えています」と告白。「サッカーには他にもたくさんの選択肢があります。例えば、スポーツディレクターや監督になったり、サッカーから離れることもできます。現在、僕は日本ユニセフ協会の大使を務めています。今のキャリアを終えたら、大使としていろいろな場所に行くことができます。
やりたいことはたくさんあるので、よく考えて決断したいと思います。現時点では、まだ何も決まっていません」と胸の内を明かしている。

 長谷部にとってのフランクフルトという存在を問われると、「アイントラハト・フランクフルトに来たとき僕はすでに30歳で、そのあと10シーズンもプレーするとは全く思っていませんでした」と述べながら、「当時、フランクフルトは常にブンデスリーガに残留するために戦っていて、僕たちの目標もブンデスリーガに残留することでした。この10年間、僕たちはチャンピオンズリーグ(CL)に出場し、ELとカップ戦で優勝し、チームはどんどん大きくなり、近年は常にCL出場を目指すチームに成長しました。10年前にリーグ残留をかけて戦い降格プレーオフを戦った経験があるので、チームの成長には特に満足しています」とクラブの変化を指摘。「この10年間は本当に素晴らしい経験で、フランクフルトは大好きなクラブになりました。
さらに、フランクフルトは、僕が選手として一番長く在籍しているクラブです」と強い愛着を語った。