2018年9月、かつてミランに黄金期をもたらした故シルヴィオ・ベルルスコーニ氏によって買収されたモンツァは、同氏の“右腕”として知られるアドリアーノ・ガッリアーニCEO(最高経営責任者)の下で着実に力をつけ、2021-22シーズンにはセリエA昇格プレーオフを勝ち抜いてクラブ史上初の1部昇格を決めた。
勝負の3年目に向けて、モンツァはネスタ新監督を招へい。現役時代にラツィオやミランなどで活躍し、イタリア代表としてもFIFAワールドカップドイツ2006で優勝を経験した名DFは、現役引退後にアメリカやセリエBの複数クラブで指揮を執り、満を持してセリエAの舞台に初挑戦。しかし、ネスタ監督に率いられたモンツァは、今季のセリエA開幕から7試合未勝利と低迷を続け、昨年10月21日に行われた第8節ヴェローナ戦を3-0で制して今季初白星を飾って以降も、泥沼の9戦未勝利となるなど苦しんだ。
このような状況を受けて、昨年12月24日にはネスタ監督の解任を発表。後任として、かつてヴェローナで指揮を執ったサルバトーレ・ボケッティ氏を迎え入れたが、同監督体制で白星を掴んだのは1月13日に行われたセリエA第20節のフィオレンティーナ戦(○2-1)のみ。残る6試合はすべて黒星を喫しており、今月9日に行われた第24節ラツィオ戦では、1-5と大敗を喫した。
モンツァは同試合の翌日にあたる10日、2027年6月30日まで契約が残っていたボケッティ監督の解任を決断し、同監督体制はわずか2カ月強で終焉を迎えた。そして、後任はネスタ監督に決定。モンツァはクラブリリースを通して「解任処分を取り消す形」と発表しており、異例の“再登板となっている。「アレッサンドロの幸運を祈る」とメッセージを発信した。
セリエA第24節終了時点で、モンツァの成績は2勝7分15敗。