明治安田J2リーグのV・ファーレン長崎は27日、ファビオ・カリーレ前監督及びスタッフに対する東京地裁への提訴準備が完了したと発表した。

 騒動の発端は2023年の12月。
同月4日に長崎との契約更新が発表されたカリーレ監督だったが、19日に古巣であるサントスがカリーレ監督との契約合意を発表した。長崎はサントスから契約手続きに関する正式なオファーが届いていないことを明らかにしつつ、翌年1月13日にはこの件に関してサントス側と会議を行い、違約金の全額支払いを要求。これに対してサントス側は再度検討して正式に書面で返答することを約束したとされていた。

 長崎は同会議以降もサントスに対して誠実な対応を求めて友好的な解決を呼びかけていたものの、明確な回答がなかったため、正式に国際サッカー連盟(FIFA)へ申立てることを決定。しかし、今回の声明によれば提訴がFIFAの管轄外だったことにより、裁定ができないという決定が下されたという。これを受け、長崎はカリーレ監督らとの和解協議を打ち切り、東京地裁への提訴を決定したようだ。

 発表の詳細は以下の通り。

「V・ファーレン長崎は、ファビオ・カリーレ監督及びレアンドロコーチ・デニスコーチ・セザールコーチ(以下「カリーレ氏ら」といいます。)からの一方的な契約破棄に関しまして、2024年2月に国際サッカー連盟(FIFA)に対し提訴いたしました。しかしながら、本提訴に関しては、国際サッカー連盟(FIFA)では管轄外のため裁定ができないという決定が下されました」

「V・ファーレン長崎としては、共に勝利を目指して戦った仲間とこのような形で争うことは本意では無いため、東京地裁への提訴準備を進めると同時に、カリーレ氏らの代理人と和解に向けた協議を行い、カリーレ氏らに対し、クラブ及びサポーターに対する謝罪を求めるとともに解約金の大幅な減額提示も行って参りました」

「和解協議において、カリーレ氏らの代理人から、カリーレ氏らとしても、クラブ及びサポーターに対して謝罪する意思があると回答があったため、具体的な謝罪文の提示を求めてきました。しかし、期限を過ぎてもカリーレ氏らから連絡はなく、正式な謝罪文を受け取ることはできませんでした。その後、V・ファーレン長崎から最終通知書を送付し、最後の協議の機会を設けましたが、これに対しても、カリーレ氏らから返答はありませんでした」

「そのため、V・ファーレン長崎としては、大変遺憾ながら、カリーレ氏らとの和解協議を打ち切り、この問題に決着を付けるため、東京地裁への提訴を決定したことをお知らせいたします」

「状況に進捗があれば、クラブ公式よりご報告いたします」
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