ブラジルサッカー連盟(CBF)は、レアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督をブラジル代表監督に招へいすることを断念したようだ。29日、ブラジルメディア『Globo』が伝えている。


 現在65歳のアンチェロッティ監督は、ユヴェントスやミラン、チェルシー、パリ・サンジェルマン(PSG)、レアル・マドリード、バイエルン、ナポリ、エヴァートンなどを歴任後、2021年から2度目のレアル・マドリード就任を果たし、ここまで同クラブでは計15個のタイトルを獲得している。

 そんなアンチェロッティ監督は2026年6月30日までレアル・マドリードとの契約を残しているが、今シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝で敗退し、コパ・デル・レイ(国王杯)でも決勝でバルセロナに敗れたことなどから、今季終了後に退任することが濃厚となっており、かねてより関心が噂されているブラジル代表に就任する可能性が浮上していた。

 そんななか、今回の報道によると、レアル・マドリードは数カ月前から検討していた成績不振によるアンチェロッティ監督の解任をコパ・デル・レイ決勝終了後に決断。これを受け、アンチェロッティ監督はCBFとの交渉を開始し、ブラジル代表監督就任で口頭合意に達していたという。

 しかし、これを知ったレアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長は、アンチェロッティ監督解任の際に発生する契約解除金の支払いを拒否。これに伴い、アンチェロッティ監督はCBFとの交渉を打ち切ることを決断したようだ。

 また、スペイン紙『マルカ』もブラジル代表監督就任のために残すはサインのみとなっていたアンチェロッティ監督は、CBFとの契約を完了するためにロンドンを訪れたものの、直接CBFのエドナルド・ロドリゲス会長に連絡を取り、関心を示してくれたことへの感謝を伝えながら、オファーを拒否したことを伝えている。

 なお、アンチェロッティ監督はレアル・マドリードに退団の際の保証金としてレアル・マドリードに400万ユーロ(約6億4800万円)を要求したものの、同クラブは拒否し、同監督が残りの契約を放棄して退任することを望んでいるという。

 これにより、ブラジル代表に就任することはなくなったアンチェロッティ監督は、新たにサウジアラビアのクラブから魅力的なオファーが届いていることも報じられているが、果たしてどのような形でレアル・マドリードを離れることになるのだろうか。
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