前半は前線から厳しい球際や素早い攻守の切り替えでアグレッシブさを取り戻し、主導権を握り続けた。
失点シーンは85分、ペナルティエリア右の新潟MF奥村仁にボールが入ると、広島は周りに3選手いたが厳しく寄せきれず、クロスを上げられる。ゴール前中央で荒木が競り合ったが、FW長谷川元希に頭でつながれて、ファーでフリーになったFWミゲル・シルヴェイラに流し込まれた。
荒木は、「クロスをピンポイントで合わされると、どうしても難しいところがあるので、そこはまず(クロスを)上げさせないようにできたら良かったと思います。僕のところでちょっと(ボールを)すらされたので、映像を見て僕自身もそこでポジショニングとかがどうだったのかを確認したい」と反省を口にした。
試合終盤に失点を許したものの、それまでの荒木は奮闘が光った。試合の入りから連敗脱出への気迫がこもったプレーを披露。相手FWを厳しくマークし、出足鋭く前に出てボールを奪い、サイドへのカバーもこなして広い守備範囲を縦横無尽に戦い続けた。「良いか悪いかはわからないけど、120パーセントの力を出しきったので、自分の限界を超えていくパフォーマンスができたと思っています」と振り返った。
さらに、高い位置でボールを奪えば、そのまま果敢に前へ出て、ペナルティエリアにも入る動きを見せた。
広島は前半にアグレッシブに戦った分、ハードワークが響いて後半にペースダウン。試合終盤に力尽きて、重い失点を許した。荒木は「(後半は)全体的にプレスが少しかからなくなった」と指摘し、「前半はやれていたところが多かったので、後半もできれば続けたかった」と前半の戦いを貫けず、悔しさを滲ませた。
広島はこの4連敗中に計1得点5失点。アタックでうまくいかず、本来の良さでもあるディフェンスでも相手に少ないチャンスを決めきられ、攻守が噛み合っていない試合が続いている。次節は中3日で迎えるアビスパ福岡とのホームゲーム。苦しい状況だが、選手としてはピッチでまず自分の最大限の力を発揮するしかない。
荒木は、「今日の試合に関して言えば、自分の中で120パーセントを出しきるつもりだったし、実際にそういう戦いが自分ではできたと思う。それを次の試合もできれば、勝てるチャンスはあると思うので、やり続けていきたい」と連敗脱出へ前を向いた。
取材・文=湊昂大
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