FC東京は23日、ハノーファーより元日本代表DF室屋成が完全移籍加入することを発表した。

 室屋については19日、前所属先のハノーファーを通して、2024-25シーズンをもって契約満了により退団することが発表されていた。
クラブは既に日本に帰国することが決まっていることを示唆し、「室屋選手の帰国については、家族の事情によるものです。室屋選手の子どもは今年の夏より、日本で学校に通い始める予定で、家族は今回の退団を機に、生活の中心を母国に戻そうとしています」と明かしていたが、新天地はかつての“古巣”に決まった。

 FC東京復帰に際し、室屋はクラブを通してコメントを発表。およそ5年ぶりに古巣でプレーすることへの心境を明かした。

「帰るべき場所に帰ってきました。ふたたび青赤のユニフォームを着て、素晴らしいファン・サポーターとともにこの東京で戦えることを光栄に思います。東京の歴史の大きな一部になれるよう信念を持って戦います。また味の素スタジアムで会いましょう」

 室屋は1994年4月5日生まれの現在31歳。青森山田高校、明治大学を経て、2016シーズンより、明治大学サッカー部を退部し、同校に在学した上でFC東京への入団を果たした。ルーキーイヤーはケガにも泣かされたものの、以降は主戦場の右サイドバックでポジションを確保。2019シーズンにはJリーグベストイレブンにも輝いた。

 FC東京では公式戦通算133試合出場5ゴールを記録し、2020年夏、2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)のハノーファーへ完全移籍加入。
自身初の欧州挑戦ながら、初年度から定位置を掴み、ハノーファーを1部昇格へ導くことこそ叶わなかったものの、5年間にわたって活躍を続けた。ハノーファーでは公式戦通算151試合に出場して5ゴールを挙げた。

 また、各年代別の日本代表にも名を連ねており、2016年にはリオデジャネイロ・オリンピックを戦うU-23日本代表のメンバーに選出。本大会でも全3試合にフル出場した。2017年12月にはEAFF E-1サッカー選手権2017でA代表デビュー。2021年11月を最後に日本代表からは遠ざかっているものの、これまでに国際Aマッチ通算で16試合出場を記録している。

 FC東京は2025明治安田J1リーグの16試合を消化した段階で、5勝4分7敗の勝ち点「19」を記録し、現在は暫定16位につけている。青赤の魂を持ち、ドイツで逞しさを増した室屋の帰還は、ここからの巻き返しに向けて火種となりそうだ。


【動画】室屋成、ハノーファー時代のプレー集

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