2024-25シーズンのラ・リーガ全日程が終了した。

 最終節となる第38節は23日から25日かけて行われた。
宿敵に王者の座を明け渡したレアル・マドリードは、MF久保建英がスタメン出場したレアル・ソシエダと対戦。今シーズン限りでチームを去るカルロ・アンチェロッティ監督と、MFルカ・モドリッチの本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』ラストマッチとなったなか、FWキリアン・エンバペのピチーチ賞を手繰り寄せるドブレーテで、2-0の勝利。また、87分に交代を告げられたモドリッチに対しては、両チームの選手と審判団が花道を作り、サポーターは万雷の拍手で迎えるなど、13年に渡って活躍した“英雄”にふさわしいエンディングとなった。

 同じく、惜しまれながらピッチを去ったのが、アスレティック・ビルバオのDFオスカル・デ・マルコスだ。今シーズン限りでの現役引退を発表していたカピタンは、本拠地『サン・マメス』での現役ラストマッチとなるバルセロナ戦にスタメン出場。果敢なオーバーラップやチャンスに直結するラストパスで存在感を発揮し、右サイドで36歳という年齢を感じさせない躍動ぶりだった。試合前に両チームの選手が花道を作り、89分に退いた際にも万雷の拍手が送られた。なお、試合には0-3と敗れたものの、11年ぶりのチャンピオンズリーグ出場をすでに決めている。

 前節終了時点で優勝ならびに上位6チームが決定したなか、今節最大の注目を集めた7位セルタ、8位ラージョ・バジェカーノ、9位オサスナによるラスト2枠の欧州大会出場権争い。セルタはヘタフェと敵地で対戦すると、先制点こそ許したもののFWボルハ・イグレシアスのゴールで同点として迎えた80分、エリア内左のポケットをとったFWヴィリオット・スウェドベリがファーサイドにクロスを供給。これに飛び込んだのは、背番号『10』・37歳の“王様”だった。FWイアゴ・アスパスの逆転弾で、2-1と勝利。
リーグ最年少指揮官(アスパスと同じ37歳)ことクラウディオ・ヒラルデス監督の下、カンテラーノが躍動したチームは、2016-17シーズンぶりとなるヨーロッパリーグ出場を確定させた。

 こちらも37歳のイニゴ・ペレス監督(1カ月誕生日が早い)が率いるラージョ・バジェカーノは、FW浅野拓磨が欠場したマジョルカと激突。シュート数27本、ゴール期待値2.26と圧倒したものの、相手GKドミニク・グライフの好守に阻まれてスコアレスドローでタイムアップ。これにより同時刻開催のオサスナの結果を待つことになると、選手たちはベンチ前で、サポーターはスタンドでスマートフォンに釘付けとなる異様な光景に。そして試合終了から数分、固唾を呑んでいた本拠地『バジェカス』に届いたのは、オサスナがアラベスに引き分けたという報せ。地鳴りのような歓声の後、ピッチ上で選手と、なだれ込んだサポーターたちが、2000-01シーズンのUEFAカップ(現:ヨーロッパリーグ)以来2度目の欧州大会となるヨーロッパカンファレンスリーグ出場を祝った。

 最後に残留争いだが、前節までにバジャドリードとラス・パルマスのセグンダ降格が決定。今節では生き残りをかけ、エスパニョールとレガネスが争った。自力のないレガネスは、バジャドリード相手に前半だけで3-0とリードし天命を待つだけに。対するエスパニョールは、前半をスコアレスで折り返したものの、後半にカンテラーノであり、現チームのエースであるFWハビ・プアドが1ゴール1アシストとチームを救う。2-0でラス・パルマスを下したエスパニョールが残留。バルセロナやアトレティコ・マドリードらを倒す“上位キラー”ぶりを見せたレガネスだったが、1年で2部リーグに戻ることとなった。


 最終節の結果は以下の通り。

ベティス 1-1 バレンシア
レアル・マドリード 2-0 レアル・ソシエダ
エスパニョール 2-0 ラス・パルマス
レガネス 3-0 バジャドリード
アラベス 1-1 オサスナ
ヘタフェ 1-2 セルタ
ラージョ・バジェカーノ 0-0 マジョルカ
ジローナ 0-4 アトレティコ・マドリード
ビジャレアル 4-2 セビージャ
アスレティック・ビルバオ 0-3 バルセロナ

■順位表
※カッコ内は勝ち点/得失点差
※勝ち点が並んだ場合は当該チーム同士の対戦成績で順位決定
1位 バルセロナ(88/+63)
2位 レアル・マドリード(84/+40)
3位 アトレティコ・マドリード(76/+38)
4位 アスレティック・ビルバオ(70/+25)
5位 ビジャレアル(70/+20)
───────CL出場圏───────
6位 ベティス(60/+7)
7位 セルタ(55/+2)
───────EL出場圏───────
8位 ラージョ・バジェカーノ(52/−4)
───────ECL出場圏───────
9位 オサスナ(52/−4)
10位 マジョルカ(48/−9)
11位 レアル・ソシエダ(46/−11)
12位 バレンシア(46/−10)
13位 ヘタフェ(42/−5)
14位 エスパニョール(42/−11)
15位 アラベス(42/−10)
16位 ジローナ(41/−16)
17位 セビージャ(41/−13)
───────残留・降格ライン───────
18位 レガネス(40/−17)
19位 ラス・パルマス(32/−21)
20位 バジャドリード(16/−64)
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