カターレ富山は27日、小田切道治監督の退任と安達亮氏の新監督就任を発表した。

 富山はここまで16試合を消化した2025明治安田J2リーグで、3勝6分7敗・勝ち点「15」の暫定17位に低迷し、直近では12戦未勝利と苦境が続いている。
こうした現状を受け、シーズン途中での指揮官交代を決断。クラブは「本人事は、リーグ戦12戦勝ちなしという今般の戦績によるもので、看過出来る限度を超えたとの認識に立ったものです」と発表しつつ、退任することとなった小田切監督について次のように感謝を綴っている。

「ただし、走力、球際、切替の競技性三原則を高いレベルで維持し、結果には必ずしも結びつきませんでしたが、失点の少ない熱量のあるサッカースタイルを構築された功績は、決して色褪せるものではありません。クラブとして最大限の感謝と敬意を表したいと思います」

「小田切監督は選手終盤時代からアカデミー、トップチームとカターレ富山一筋でクラブに貢献してくれました。こうしたキャリアを通じて、強度と熱量のある守備力の高いチームを作り上げてくれました。今後はその経験をベースに、新たなクラブでキャリアを積みながら、指導者としての幅を広げていくことを願ってやみません」

 後任となった安達氏は1969年7月2日生まれの現在55歳。横浜フリューゲルスや横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸の下部組織を経て、2009年に神戸のトップチームコーチに就任し、その後はV・ファーレン長崎や富山の監督を歴任。2022年からは横浜FMのアシスタントコーチとアカデミー育成部長を務めていた。富山には2020年以来の復帰となる。

 富山は安達氏の招へいについて、以下のように理由を説明している。

・2018シーズンより3シーズン在籍していることから、既にある程度チームやクラブ事情を知り得ており、円滑な交代が見込めること。

・安達氏在籍時のチームは、現在の予算規模の半分以下ながら、平均15本/試合以上のシュートを放ち、バイタル侵入回数、得点数も多い攻撃型であったことから、チームの最重要課題ある「得点力不足」改善が期待できること。


・豊富なアカデミー年代の育成経験を持ち、個々の強みを活かしながら代表クラスの選手も輩出している実績から、有望若手の多い当クラブに相応しいキャリアを有していること。

・フロント強化部での実務経験や、複数クラブでの監督経験から、所謂「業界で顔の利く」存在として、スカウトや補強面での手腕も当クラブでは貴重なこと。

・裏表がなく、筋と情の使い分けバランスが程良く取れており、人として信頼できること。

・社長として20年以上彼を見てきており、今のチームを浮揚させるに足る力量を持っていると、決裁権者である私自身が得心していること

 富山はファン、サポーターに向けて「リーグ戦も残り22試合。安達新監督の下、反攻の狼煙をあげて臨んで参る所存です。ファンサポーターの皆様、カターレ富山をご支援いただいている全ての皆様、今後ともどうかよろしくお願いいたします」と発表。また、小田切監督と安達氏はクラブ公式サイトを通じてそれぞれ次のようにコメントしている。

◼︎小田切道治監督
「チームを勝たせる事ができず、このような結果になっていることに対して責任を感じております。カターレ富山を全力でサポートしていただいているファン・サポーターの皆さま、パートナー企業の皆さまには心から感謝申し上げます」

「どんな状況でも、次の試合に向けて、最高の準備をしてくれた、選手、コーチングスタッフ、メディカルスタッフの皆さん本当にありがとうございました。チームがサッカーに集中できる環境を整えてくださった、グラウンドキーパーの皆様、ボランティアの皆様、フロントスタッフ、育成、普及スタッフ、クラブハウスの清掃、食事を提供していただいたスタッフの皆さん、本当にありがとうございました」

「そして、なかなか勝てない状況の中でも、県総へ足を運び、選手やチームだけでなく私にも温かい後押しや熱い声援を送り続けていただいたファン・サポーターの皆様、本当にありがとうございました。また、監督のキャリアをカターレ富山で始められたことにも感謝しております。選手時代、アカデミー、トップチームスタッフ含めて、17年間本当にありがとうございました。
今後のカターレ富山の躍進を心より願っております」

◼︎安達亮新監督
「このたび、カターレ富山の監督に就任いたしました安達亮です。富山のサッカー熱をさらに盛り上げるためにやってまいりました。県総での熱い声援をお待ちしております。よろしくお願いいたします」
編集部おすすめ