所属するアルビレックス新潟レディースではFWとして活躍し、昨シーズンのWEリーグでは得点ランキング3位タイの8得点をマーク。なでしこデビュー戦はFWではなく、『4-3-3』布陣のインサイドハーフで出場した。「(成宮)唯さんとのバランスも見ながら、あまり被らないように意識してやりました」と滝川。守備時は成宮が一列上がり『4-4-2』の陣形となり、滝川はボランチの位置へ。本職ではないポジションでもハードワークを続けた。
矢形海優のゴールで1点をリードして迎えた25分、ポケットを取った成宮のクロスをGKが弾き、こぼれ球を滝川が冷静に流し込む。初日の練習後に「得点は意識してやりたい」と話していた滝川にとってはまさに有言実行だ。昨シーズンは一時ゴールから遠ざかる苦しい時期もあったが、リーグ戦終盤にその山を乗り越え、ついに掴んだ代表入りのチャンス。「そういった時期があったからこそ、本当に得点できる喜びだったり、一つひとつ決めきる力や集中力を意識してやることができました。こぼれ球でしたけど、いい反応ができたからこそ、決めきることができたというふうに感じています」と胸を張った。
このゴールにすぐさま反応したのが、新潟Lでプレーする先輩の川澄奈穂美。自身のXで「こぼれ球クイーンが決めた」と後輩の初ゴールを祝福した。取材対応時、まだこの投稿を見ていなかった滝川にその内容を伝えると「WEリーグでも、新潟でもそう言われているので(笑)。まあでも、私らしいかなっていう思います!」と笑顔を見せた。
デビュー戦でゴールという最高の結果を残したものの、上野真実との交代で前半限りのプレーとなった。WEリーグは現在プレシーズン期間で追加招集の滝川にとって、公式戦のフルコートは「今日が初めて」。「立ち上げの一週目でちょっとしたゲーム形式はやっていましたが、めちゃめちゃ上げるという感じではなかった。始動前に個人で動いたりはしていましたけど、やっぱり全然違うなと思いました」と口にする。ニルス・ニールセン監督からは「次に出た時、また決められるから」と期待を込められた。韓国女子代表、中国女子代表と3連覇を目指す戦いが続く中、「自信を持ってやりたい」と再びゴールを狙っていく。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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