今夏の移籍市場において、トッテナム・ホットスパーはクドゥスへ熱視線を送り続けてきた。同選手にはチェルシーやニューカッスルも関心を示していたものの、クドゥス自身はトッテナム・ホットスパーへの移籍のみを希望し、他クラブとの交渉を拒否。新たに就任するトーマス・フランク監督もクドゥスの加入を熱望しており、“相思相愛”であることが伝えられていた。
トッテナム・ホットスパーは最初のオファーとして5000万ポンド(約99億円)の金額を提示したものの、この条件に対してウェストハムは首を縦に振らず。それでも、2度目のオファーで5500万ポンド(約109億円)を提示すると、ウェストハムはこの金額に応じる決断を下し、両者はクラブ間合意に至ったと報じられた。クドゥスは現地時間10日にもメディカルチェックを受診予定で、2031年6月30日までの6年契約を締結することになるという。
クドゥスは2000年8月2日生まれの現在24歳。18歳にして母国ガーナを離れ、デンマークのノアシェランに加入すると、2年後にはアヤックスへステップアップした。2023年夏にウェストハムへ加わると、持ち前のテクニックとアイデア溢れた突破、さらには類稀な得点力を武器に活躍。主戦場の両ウイングだけでなく、2列目や2トップの一角としても起用され、在籍した2年間で公式戦通算80試合出場19ゴール13アシストを記録した。
トッテナム・ホットスパーは2024-25シーズンのプレミアリーグをクラブ史上最低の17位で終えたが、ヨーロッパリーグ(EL)では優勝を果たし、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得。シーズン終了後にはアンジェ・ポステコグルー監督が退任し、フランク新監督を招へいした。
今夏の移籍市場では、昨季途中よりレンタル移籍加入していたU-21フランス代表FWマティス・テル、オーストリア代表DFケヴィン・ダンソの完全移籍移行が決まったほか、発表されたのは2023年9月だったが、ハイドゥク・スプリトから18歳のクロアチア代表DFルカ・ヴシュコヴィッチの合流も予定されている。さらに、8日には川崎フロンターレから日本代表DF高井幸大の完全移籍加入を発表。クドゥスは高井に続く2人目の“新戦力”としてトッテナム・ホットスパーに加わることとなりそうだ。
なお、同じロンドンに本拠を置くトッテナム・ホットスパーとウェストハムは、強烈なライバル関係にあることでも知られている。ウェストハムからトッテナム・ホットスパーに直接移籍をした選手は、2011年夏の元イングランド代表MFスコット・パーカー(現:バーンリー監督)が最後。14年の時を経て、ライバルクラブ間での移籍が実現する見通しだ。
【動画】スパーズ加入が濃厚となったクドゥスのプレー集