試合は序盤の6分に動く。相手のミスを見逃さなかったフランス代表FWウスマン・デンベレの素早い切り替えから、ゴール前でのこぼれ球に反応したファビアンが先制ゴールを沈める。続く9分にも、レアル・マドリードのミスからデンベレが追加点を挙げると、24分にはスペースを突いた見事な攻撃を披露。モロッコ代表DFアクラフ・ハキミからの折り返しをファビアンが押し込み、自身2点目をゲット。3点をリードして後半に突入すると、終盤にはカウンター攻撃からポルトガル代表FWゴンサロ・ラモスがトドメを刺し、最終的にはレアル・マドリードを4-0で撃破。チェルシー(イングランド)が待つ決勝行きの切符を掴み取る同時に、リーグ・アン、クープ・ドゥ・フランス、チャピオンズリーグ(CL)に続く4冠に王手をかけた。
試合後、ファビアンは「信じられないような気分だ。言うまでもなく、キャリアの中でも最も素晴らしい時期の一つを過ごせている実感がある」と充実感を口にする。「僕個人だけでない」と話をチームへ移すと、次のように言葉を続け、4冠達成に向けて意気込んだ。
「ここまで素晴らしいシーズンを過ごしてきた。残り1試合、シーズンの完璧な締め括りするだけさ。本当にここまでは信じられないほどに良いシーズンで、美しいサッカーで勝利を重ねてきた。
また、ファビアンは「監督は常日頃から『全員で走らなければならない。全員でプレッシャーをかけなければならない』と繰り返している」と明かすと、「その中でも、特にウスマンは、試合開始と同時に全力でプレーをしていたね。ゴールだけじゃないよ。献身的な働きで僕らを助けてくれているし、今日はそんな姿を皆が見たはずだ」と、前線からの守備で2ゴールの起点となったデンベレを称賛。「先制点は彼のプレッシャーから生まれ、2点目は自らゴールまで奪ってみせた。彼は素晴らしいシーズンを過ごしているね」と語った。
そんなデンベレについては、2025年のバロンドール筆頭候補との声もある。同賞について問われたファビアンは、「僕個人の意見でいいならば、彼はバロンドールに相応しい人物だと思うよ。日曜日の決勝戦では、さらに活躍してくれることを願っている」と話した。
クラブW杯も含めて、2024-25シーズンは公式戦60試合出場8ゴール11アシストを記録しており、PSGの中心選手に君臨するファビアンも、バロンドールにノミネートされても不思議ではない人物だが、「僕にできるのは、目の前の試合に全力を尽くすことだけさ。もちろん、そのような賞にノミネートされたならば幸せだとは思うけどね」と、あまりに気に留めていない様子だ。
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