メルボルン・ビクトリーが所属するAリーグ(オーストラリア1部)は10日、現役引退を発表したGKランゲラックの功績を称えている。

 10日、“始まりのクラブ”でスパイクを脱ぐことを発表したランゲラック。
来月に37歳を迎える“ミッチ”は、メルボルン・ビクトリーでプロキャリアを始めた後、サウス・メルボルン、ドルトムント、シュトゥットガルト、レバンテ、名古屋グランパスと計6クラブに在籍した。とくに、ユルゲン・クロップ氏に師事したドルトムント時代には、ブンデスリーガやDFBポカール優勝を経験したほか、チャンピオンズリーグでもプレー。また、オーストラリア代表としても通算8キャップを保持しており、FIFAワールドカップブラジル大会のメンバーにも選出された。

 そうしたなかで、公式SNSを更新したAリーグは、ランゲラックの現役引退に際して「ミッチェル・ランゲラックは、我が国と日本の2カ国で伝説として刻まれた、稀有なオーストラリア人選手としてキャリアを締め括った」とし、「彼は常にメルボルン・ビクトリーの愛される息子であり続けるが、名古屋グランパスでも愛される理由は明白だ」と投稿。7年間在籍した名古屋グランパスに残した足跡を振り返った。

 ランゲラックが名古屋グランパスに加入したのは2018年。クラブ初となったJ2リーグでの戦いをなんとか1年で終え、J1リーグに復帰した最初のシーズンだった。そのなかですぐさま正守護神の座を確保した“ミッチ”は、以降7年間で公式戦通算287試合出場。これは、クラブにおける外国籍選手の歴代最多記録となっている。加えて、欧州トップレベルのシュートストップで、同リーグにおける連続無失点時間と、1シーズンの無失点試合数もダブルで更新したのだ。また、2019シーズンに楢﨑正剛氏から背番号『1』を継承し3代目となったほか、2024シーズンにはクラブ史上初となる外国籍選手としてのキャプテンにも就任。2度のルヴァンカップ優勝の立役者だったことも含め、まごうことなきロッソジャッロの“レジェンド”として記憶されている。


 このような功績から、ドラガン・ストイコヴィッチ氏に匹敵するレジェンドとして崇められるランゲラック。退団発表最初の本拠地『豊田スタジアム』での試合では、サポーターが「LEGEND」のコレオで感謝の意を表したほか、ゴール裏に靡くオーストラリア国旗の数も日に日に増加。とくに、「Mitch, You are THE ONE」の弾幕が掲げられた『豊田スタジアム』でのラストマッチと、『国立競技場』でのルヴァンカップ決勝戦は圧巻の光景だった。Aリーグ公式SNSも、「彼がAリーグで引退するために帰国する前に、大きな『LEGEND』のコレオで送られたのも納得! 本当に素晴らしい選手だ」と偉大な守護神であったことを強調している。

 なお今後、ランゲラックはメルボルン・ビクトリーの「アカデミープログラム」のコーチとして、指導者キャリアを始めるとのこと。「選手として培った経験と情熱を、指導者としての新たなキャリアに活かせることを楽しみしている」と意気込んでいる。


【伝説】ミッチと名古屋グランパスが歩んだ7年





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