国際サッカー連盟(FIFA)で国際サッカー発展部門の責任者などを務めるアーセン・ヴェンゲル氏が、FIFAクラブワールドカップ2025を「サッカー界史上最悪のアイデア」と切り捨てたユルゲン・クロップ氏の発言に対して反論した。11日(現地時間)、イギリスメディア『BBC』が伝えている。


 ドルトムントやリヴァプールで数々のタイトルを獲得し、現在はレッドブル・グループグローバルサッカー部門責任者を務めているクロップ氏は、オフシーズンに開催されるクラブW杯の影響について「新シーズン、選手たちがこれまでに経験したことのないケガを負うのではないかと深刻な懸念を抱いている」と、出場選手たちのコンディションを憂慮。規模が拡大されて試合数が増加し、酷暑のアメリカ合衆国で開催されている同大会を「史上最悪」と批判した(6月28日/『BBC』掲載)。

『BBC』によると、クロップ氏のコメントについて意見を問われたヴェンゲル氏は「非常に興味深い質問に対して、非常に退屈な答えをするつもりだ」と前置きしたうえで「誰にでも意見を持つ権利があるが、私はユルゲン・クロップの意見には全く賛同しない」と真っ向から反論した。

「クラブW杯は必要だと感じている。参加したすべてのクラブに問い合わせれば、100%『もう一度開催したい』という回答があるはずだ」

「そして決定的な要素は、ファンがそれを気に入るかどうかだ。当初、観客動員数は低いだろうと予測されていたが、実際にははるかに多かったと考えている。答えはそこにある」

 またヴェンゲル氏は、来年にアメリカ合衆国を含む3カ国で共同開催される2026 FIFAワールドカップを前に、クラブW杯において暑さ対策やピッチの改善についての教訓を得ることができた点も成果として強調。「(クラブW杯では)いくつかの試合で暑さが問題となったが、我々はクールダウンや休憩中のピッチへの散水などで対処した。全体としてその点では多くのことを学んだと感じている」と評価している。
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