現在27歳のギェケレシュは2023年夏に加入したスポルティングで得点を量産し、プリメイラ・リーガ連覇に大きく貢献。複数クラブから関心を寄せられるなか、アーセナルとの個人合意が報じられている。
しかし、クラブ間での交渉は難航しており、アーセナルが提示した移籍金6500万ユーロ(約112億円)+ボーナス1500万ユーロ(約26億円)のオファーはスポルティングが拒否。チャンピオンズリーグ参加などで多額の賞金を得ている同クラブはギェケレシュの売却を急いでおらず、ヴァランダス会長は少なくとも7000万ユーロ(約120億円)+ボーナス1000万ユーロ(約17億円)というベースの移籍金を増額した条件を要求しているようだ。
すると、こう着状態にしびれを切らしたギェケレシュがアクションを起こした。プレシーズンが始まる現地時間12日の17時までにチームへの合流が求められていたが、ギェケレシュはキャンプへの参加を拒否。スポルティングはエース抜きで合宿に出発し、同選手に対して罰金を科す構えだ。
ヴァランダス会長はそんなギェケレシュの状況に言及。「私たちは落ち着いている。移籍市場の閉鎖、重い罰金、そしてグループへの謝罪で、すべては解決できる」と語り、さらに「もし彼ら(アーセナル)がヴィクトルの正当な市場価値を支払いたがらないのであれば、私たちは今後3年間、このままでいいと思っている」と、ギェケレシュの契約が満了を迎える2028年夏まで同選手を“飼い殺す”考えもあると警告した。
「この戦略(キャンプへの参加拒否)を立案している天才たちが、選手の退団を容易にするよう私に圧力をかけると考えるなら、それは完全に間違っているだけでなく、選手の退団条件をさらに複雑にしていることになる。クラブの利益の上に立つ者はいない」