WEリーグで活躍する選手を中心としたメンバーで東アジアの頂点を決する戦いに臨んでいるなでしこジャパン。
3大会連続5度目の優勝をかけた最終節では中国と激突。初戦で韓国と2-2のドローゲームを演じると、第2戦では台湾を4-2で撃破し、なでしこジャパンと同じくここまで勝ち点「4」を獲得している。この試合に勝利したチームは無条件で東アジアの王座を獲得することに。仮に引き分けに終わった場合は、韓国vs台湾の試合結果を待ち、優勝チームが決まる状況となっている。
立ち上がりのなでしこジャパンは中国のハイラインの背後を突く攻撃で何度かチャンスを創出。8分には高い位置を取った山本柚月のアーリークロスに抜け出した樋渡百花がネットを揺らしたが、オフサイドの判定で得点とはならない。対する中国は細かくパスを繋ぎつつ、前線の選手のフィジカルを生かしてなでしこジャパンのゴール前に迫り、拮抗した試合展開が続く。
22分、右サイドで幅を取った吉田莉胡がカットインから中央へパスを送り、これを受けた成宮唯がダイレクトで相手DFラインの背後へスルーパスを供給。抜け出した樋渡百花がフィニッシュに持ち込んだが、右足で放たれたシュートはDFのブロックに阻まれ枠を外れる。
後半開始から菅野奏音を投入したなでしこジャパンはボールを保持する時間を増やし、55分にはCKから決定機を作り出す。菅野が左から鋭いクロスを上げると、飛び出したGKが処理しきれずにボールがこぼれたが、樋渡は上手くミートすることができなかった。68分には自陣左サイドのスペースを攻略されてピンチを迎えたが、中央へ絞った山本が相手選手のシュートをブロックして事なきを得る。
69分、ニルス・ニールセン監督は塩越柚歩と愛川陽菜を投入し、高橋はなを最前列へ。78分には矢形を投入して圧力を強めるが、なかなかシュートチャンスを作り出すことができずに時計の針が進んでいく。85分、後方からのロングボールのこぼれ球を拾った成宮がボックス手前中央から左足を振るも、シュートはミートせず枠外へ。90+2分にはロングフィードに抜け出した高橋に決定機が訪れたが、シュートを決め切ることはできなかった。
試合はこのままスコアレスドローで終了し、なでしこジャパンは自力で3連覇を決められず。韓国vs台湾の結果を待つこととなった。
韓国が勝利すると、日本、中国、韓国の3カ国が勝ち点「5」で並ぶことになる。同勝ち点の場合は、当該国間での成績で順位が決まり、3カ国の直接対決はすべて引き分けとなっているため、勝ち点と得失点差が同数となる。
一方で、韓国が引き分け以下だった場合、日本と中国が勝ち点で並ぶが、こちらは当該国間での成績が同じため、グループ全体の成績から得失点差で中国を上回る日本が優勝となる。
【スコア】
なでしこジャパン 0-0 中国女子代表
【スタメン】
なでしこジャパン(4-3-3)
GK:平尾知佳
DF:山本柚月、高橋はな、石川璃音、嶋田華
MF:北村美羽、成宮唯、滝川結女(HT 菅野奏音)
FW:吉田莉胡(78分 矢形海優)、樋渡百花(69分 塩越柚歩)、中嶋淑乃(69分 愛川陽菜)