現在20歳のメイヌーは9歳の頃からマンチェスター・ユナイテッドのアカデミーで育っており、2023年1月にトップチームデビューを飾った。エリック・テン・ハフ監督体制下では中盤の主力として重宝され、2023-24シーズンの後半戦には定位置の座を確保。昨年11月のルベン・アモリム監督就任当初はスタートからプレーする試合も少なくなかったが、ケガの影響もあって徐々に序列が下がり、今季に入ってからはプレミアリーグ3試合中1試合の途中出場にとどまっている。
昨季終盤の序列低下に伴い、今夏には移籍の噂が浮上。メイヌー自身は今年1月の時点で自身の将来について考えており、残るシーズンで序列を覆ることができなかったため、今夏の移籍市場では、アモリム監督およびフットボールディレクターのジェイソン・ウィルコックス氏にレンタル移籍を志願したのだという。
完全移籍ではなくレンタル移籍を希望したのは、来夏に控えたFIFAワールドカップ26でのイングランド代表メンバー入りに向けた出場機会の確保を最優先事項としていたためだ。ナポリを筆頭に複数のクラブが関心を示したが、マンチェスター・ユナイテッド側と合意に至ることはなく、残留が決まっていた。
メイヌーとマンチェスター・ユナイテッドの現行契約は2027年6月30日まで残っており、契約には1年間の延長オプションも付随している。少なくとも、冬の移籍情報が開幕するまではマンチェスター・ユナイテッドで立場を覆すことを目指すこととなるが、今回の報道によると、現状が好転しない限り、1月に入ってメイヌーが再び移籍を志願する可能性は低くないようだ。
ちなみに、仮に1月にメイヌーが移籍を決断する場合、1937年10月から85年以上も期間にわたって続いてきた“とある伝統”が途絶える可能性がある。この伝統とは、公式戦の登録メンバーに、少なくとも1名以上のアカデミー出身者が入っていること。現在、マンチェスター・ユナイテッドでは、4300試合以上も連続してアカデミー出身者が公式戦のメンバーに含まれている。
アモリム監督体制となった昨シーズンは、メイヌーだけでなく、元北アイルランド代表DFジョニー・エヴァンスやアルゼンチン代表FWアレハンドロ・ガルナチョ(現:チェルシー)らのアカデミー出身者がトップチームに在籍していた。だが、彼らの退団もあり、8月30日に行われたプレミアリーグ第3節のバーンリー戦(○3-2)では、メンバー20名のうち、アカデミー出身者はメイヌーのみとなっていた。もっとも、この記録はメイヌーの移籍だけでなく、ケガによって途絶える可能性もあるが、マンチェスター・ユナイテッドの歴史に終止符が打たれる可能性も低くはない。
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