―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

就職氷河期世代は人生後半戦をどう生き抜くべきか? 同世代のひろゆき氏が壮大なテーマに挑む。今回のアドバイスは『賢い中年会社員は「偉くなるゲーム」からうまく降りられる』その真意とは?

「出世したい」50歳前後の人が考えるべきこと

ひろゆき「50歳からの出世は割に合わない」中年会社員が“偉く...の画像はこちら >>
 氷河期世代だと会社の中で自分がどこまで行けそうなのか、だいたい見えてきている人は多いと思います。一方で、「ここからもうひと頑張りして上を目指そう」と考えている人もいるでしょう。


 出世すること自体には“実益”があります。給料が増えたり、管理職の経験や肩書は転職で役に立つかもしれない。でも50歳前後になると、その実益を使える期間が短くなります。そこから出世しても、肩書を使えるのはあと10年程度。「経験になるから」という理由で頑張っても、その経験を使う前に会社員人生が終わってしまう可能性もあるわけです。

 それでも「部長になりたい」「もっと上に行きたい」と考える人はいます。しかし、それは出世による実益というよりも、「偉くなることで周囲から評価されたい」という願望が強いのだと思うのですね。

 ただ、その「偉い」という感覚も、同じ価値観を共有している人同士だから成立するものでしかありません。会社員同士なら役職や年収、会社の規模で比較できます。でも、歌手と画家のどちらが偉いのかと言われてもよくわからないですよね。

 つまり、マウンティングというのは同じゲームをやっている人同士だから成立するわけです。同窓会でマウンティングしていた人も、引退後は昔は下だと思っていた同級生から趣味の集まりに誘ってもらわないと、人と会う機会すら減ったりします。


 つまり、会社員としての偉さにも賞味期限があるわけです。だから50歳前後から出世を考えるなら、「偉くなれるか」ではなく、その出世で実際に何が得られるのかで考えたほうがいい。

出世することの「実益」と「代償」

 例えば年収が100万円増えて、それが10年続くなら単純計算で1000万円です。体力に余裕があって70歳くらいまで働くつもりなら、出世する意味もあると思います。

 逆に、雀の涙ほどの手当のために残業代がなくなって、会議や部下の管理が増えて、睡眠時間まで減るのであれば割に合わない。50歳くらいになると、若い頃より体力や自由に使える時間の価値が上がってきます。

 限られた時間や体力を会社に追加で渡すなら、そこからいくら返ってくるのかを見たほうがいいわけです。

 なので、「もう偉くならなくていい」と出世競争から降りること自体は、別に逃げではないのです。

 むしろ氷河期世代が考えておいたほうがいいのは、そのゲームが終わった後。会社を辞めれば、肩書よりも健康で動けることや、家族や友人との関係、趣味、一緒に時間を過ごす人がいることのほうが重要になってきます。

 まだ「偉くなるゲーム」に参加できる世代だからといって、惰性で最後まで走る必要もないと思うのです。

 出世で得られるお金と、そのために失う時間や体力。
そして、その肩書をあと何年使えるのか。そこまで含めて損得を考えて、割に合わないなら次のゲームに備える。それが氷河期世代の賢い生き方ではないかと思うのですよ。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

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【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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