◆JERA セ・リーグ 広島3―0巨人(14日・マツダスタジアム)
巨人が広島に敗れ、3カード連続の負け越しが決まった。好調の増田陸を2番、13日に移籍1号を放ったリチャードを5番と打線を組み替えたが大瀬良を捕まえきれず、今季4度目の零封負け。
最終盤の得点機も生かせず、スコアボードに「0」が並んだ。0―3の9回無死一、二塁。4番・キャベッジは遊ゴロ併殺打に倒れ、その後も得点を奪えず今季4度目の完封負け。今季のマツダでは開幕5戦5敗で、9連敗した18年以来7年ぶりとなった。今年も鬼門と化した敵地の歓声を背に三塁ベンチ裏に引き揚げた阿部監督は「チャンスは少なかったんだけどね。あそこ(2度の得点圏)で1本出るか出ないかだけだった」と振り返った。
4番には2試合ぶりにキャベッジを据えたが、6回2死一、二塁では中飛。助っ人は4打数無安打に終わり、岡本離脱後の6試合で4番には吉川、大城卓を合わせ3人が座ったが、23打数1安打0打点と苦しい日々が続く。
クリーンアップの数字を見ても、この6試合は69打数13安打で打率1割8分8厘、3打点。3番の吉川はこの試合2安打したが、前日に移籍1号を放ち5番起用となったリチャードは「期待に応えられなかったのが悔しいです」と3打数無安打。中軸について二岡ヘッド兼打撃チーフコーチは「やっぱり4番が固定できないと、その周りというのはうまくいかないと思うので、そっちの方がまず大事かな」と説明した。
もちろん、走者を置いてどんどん中軸に回していきたいところでもある。この日は「今の状況では一番やっぱノってる打者なので、クリーンアップの前にチャンスをつくってほしいなと思って」(阿部監督)と前日5番で4安打の増田陸を、今季初めて2番で起用。「いろいろ打順もやってみていこうかなと思います」と今後もさまざまなオーダーで臨むことを示唆した。
マツダでの対大瀬良には、通算2勝13敗。今季ビジターでは、ここまで8勝12敗1分けと、ホームの11勝6敗と比較しても苦しい戦いが続く。「(マツダで)とりあえず1個勝たないとね、もうどうしようもないと思うんで」と指揮官。
◆宮本和知氏Point 和真(岡本)が離脱した今、打線が苦しいのは間違いない。4番はキャベッジでは荷が重いと思うけど、他の候補もなかなか見当たらない現状。大瀬良が打者だけ見てスイスイ投げている姿を見ていると、機動力を使える並びのオーダーにするのも一つの手かな、と感じたよ。走力のある選手を使って、まずは得点圏に走者を置く。相手に考えさせ、打者に集中させない攻撃をして流れを変えたいね。(スポーツ報知評論家)