◆パ・リーグ 西武3×―2オリックス=延長10回=(17日・ベルーナドーム)
覚悟を決めた。2―2で迎えた10回2死満塁。
西武・滝沢夏央内野手は「絶対に打ってやろうという気持ちでした」と打席に入った。カウント2―0からマチャドの投じた速球を一、二塁間へ弾き返した。4年目で初のサヨナラ打。一塁を回ると自らヘルメットを脱いで、ウォーターシャワーで手荒い祝福をしようと待ち構えるナインの輪に飛び込んだ。「最高でした!」と言葉を弾ませた。
育成出身の高卒4年目。身長164センチは球界で最も低いが「小さくてもできるというのを見せることが一番」とそのサイズを自らの武器にする。この試合の9回、三塁前へ絶妙のバント安打を決めるなど4安打で今季初の猛打賞を記録。守備でも10回1死、頭上を襲ったライナーをジャンプ一番好捕。山田のプロ初勝利につなげた。
スピード、守備のフットワークの軽さはチームトップクラス。プロでもまれて相手投手のスピードにも慣れ、年を追うごとに力強さを増してきた。
外崎の三塁コンバートで争いが激化していた二塁の定位置争いだが、5日のソフトバンク戦から2番に定着。西口監督も「いいアクセントになっている」と高く評価。「今年は何としてもレギュラーをつかみ取りたい」と滝沢。球界最小兵のスピードスターが、レギュラーの座をつかもうとしている。