◆東京六大学野球春季リーグ戦 第6週第1日▽法大-慶大(18日・神宮)
東京六大学野球連盟の創設100周年を記念したレジェンド始球式が行われ、慶大OBでリーグ通算最多本塁打(23本)の記録保持者である元巨人監督・高橋由伸氏(50)=スポーツ報知評論家=が登場。堂々のストライク投球を披露した。
神宮一塁側の慶大応援席から「ヨシノブ」コールが巻き起こった。青春時代を過ごし、自らを育んだ神宮の杜。見事にストライク投球を決めると、法大応援席からも大きな拍手が注がれた。
「これまで嫌というぐらいボールは投げてきたんですが、野球の試合でこんなに緊張することはありません」。3年春の法大2回戦では3―10の9回、7番手で登板。最速148キロを計測したこともある。「あの時はもうちょっと近く見えたんですが、きょうはえらい遠くに見えました」と笑顔がはじけた。
1年春から4年秋まで全試合でフルイニング出場。主将で迎えた4年春には優勝を成し遂げ、4年秋の法大2回戦では安藤優也(現阪神投手チーフコーチ)から23号を放ち、新記録。今も破られていない。
「グラウンドに立つと、プレーしていた頃を思い出します。はるか前の大先輩が築いた歴史の中に、僕自身が名前を残させていただいていることを、うれしく思います」
そんな由伸氏にとって、神宮球場とは?
「野球選手としても、人としても育ててもらった場所。
100周年を迎えたリーグ。現役世代にエールを送った。
「ずっと同じではなく、伝統を守りつつ、どんどん新しいことにチャレンジしてもらいたい。各スポーツ競技に1つしかない天皇杯を与えられている意味でも、特別なリーグだと思います。魅力のあるリーグでいて欲しいですね」。次の100年へ、さらなる発展を願った。(加藤 弘士)