◆JERAセ・リーグ 阪神3―1広島(18日・甲子園)
首位攻防3連戦で負け越した現実は、潔く受け止めた。ただ、試合後の会見で広島・新井貴浩監督(48)は、阪神・藤川球児監督(44)との“遺恨”について切り出した。
4月20日の対戦(甲子園)でドラフト3位右腕の岡本が阪神・坂本の頭部に死球をぶつけた。激高する藤川監督に対し、新井監督らは謝罪に向かったが、手を挙げて制するようなしぐさを挑発と受け取ったようだ。
「(岡本は)ルーキーだしね。外の変化球がすっぽ抜けてしまったので。それについても謝罪していた」と状況を説明。さらに「広島側からヤジなどがあったのでは」と問われると「それは一切ない。一番近くにいた坂本君が分かっていると思います」と否定した。
この騒動から初の再戦となった16日の第1戦では、メンバー交換で藤川監督が頭を下げるなか、新井監督は視線を合わせずにきびすを返した。翌17日は審判団と握手を交わした後、藤川監督が先に一塁ベンチへ引き揚げた。審判団や両球団もこの状況が続くことを危惧。修復を促し、この日はメンバー交換で目を見て握手を交わし、互いに頭を下げた。
両監督は2008年から5年間、ともに阪神でプレー。気心も知れている。昨季、広島はチーム全体で46死球のうち、阪神に対して15死球。開幕前のテレビ番組では、藤川監督が新井監督に死球の多さをけん制する一幕もあった。新井監督は「いつまでも(同じ状態が続く)とは思ってなかった。私が取った行動に対して不快に、心配に思われたファンの方には申し訳ない。もうこれで終わりです」と自ら終止符を打った。今後はグラウンドでの戦いに注力する。(表 洋介)
〇…阪神・藤川監督は、試合後の会見で広島・新井監督に関するコメントを避けた。4月20日の死球騒動を巡り遺恨を残す形で16、17日の試合前のメンバー表交換時は目も合わせないなど両監督の間で不穏な空気が流れたが、この日は通常通り頭を下げて握手。「ここでお話することではないし、ゲーム後の会見でその質問は控えていただけるとありがたいです」と言及はしなかった。
◆4月20日の阪神―広島(甲子園)VTR 阪神が6―1とリードした8回1死一、二塁で、広島・岡本の変化球がすっぽ抜け、阪神・坂本に頭部死球。