◆パ・リーグ 西武1―3オリックス(18日・ベルーナドーム)

 オリックス・曽谷龍平投手(24)がプロ初完投で、チームトップタイの4勝目をマークした。102球を投げ、4安打1失点、無四球で隅田との投げ合いに勝利。

過去3敗だった西武戦は通算6試合目で初勝利となった。負ければ今季初の同一カード3連敗で、最大8あった貯金が消滅する危機も回避。3年目左腕がまた、ワンランク上の投手になった。

 オリックス・曽谷は、最後にギアを上げた。「椋にデッドボールが当たってしまったので、ここは死ぬ気で抑える」。同じ00年世代で、打線を引っ張ってきた太田が押し出しの死球。体を張った仲間がもぎ取った勝ち越し点を守るため、9回のマウンドに上がった。

 先頭の西川は、試合前の時点で9打数5安打。中飛を上げさせ、この日は天敵を4打数無安打に封じた。滝沢も空振り三振で2死。渡部聖を鋭いスライダーで三ゴロに仕留めると、緊張の糸をほどいた。「ここまで長かったし、なんとか連敗を止められて良かった」。

プロ3年目で初完投。チームの連敗を3で止め、安どの笑みがこぼれた。

 リーグトップタイの5勝を挙げていた隅田と投げ合った。初回は2死から渡部聖に左越えへソロ。冷静さは失わなかった。「相手どうこうより、自分の投球をすること。少ない球数でいけば、負けることはない」。信念を胸に、2回以降は最速152キロの直球を軸に連打を許さなかった。

 かねて「追い越さなければいけない存在」と意識するのが、同じ左腕で1学年下の宮城だ。「きょう、近づくきっかけになったのでは?」と問われ「そうですね」と目をギラつかせた。エースはすでに8完投(4完封)を記録しており「これを機にもっと成長していきたい」と決意。新人時代から見守ってきた厚沢投手コーチは「本当に柱になりつつある一人。

もう(チームの)勝ち負けは任せている」と信頼を寄せた。

 直近5試合で3度の完封負けを喫していた打線は、この日も3得点。それでも「打線も毎回、いいわけではないし、そこで崩れたらダメ。僕たちはやっぱり、長いイニングを投げていかなければ」と、先発としての責任を果たした。「(完投は)1年間に何回もできることではないと思う。これを目指し、またやっていければ」。伸び盛りの背番号17が、鮮やかにスターダムを駆け上がる。(南部 俊太)

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