◆パ・リーグ 日本ハム2―5ソフトバンク(20日・エスコン)

 経験、要所での勝負強さ。らしさを取り戻してきたリーグ王者が開幕から43試合目に、ようやく貯金1を刻んだ。

貯金をした年では、南海時代の69年の17試合目を大きく上回るチーム史上最も遅い勝率5割超え。ソフトバンク・小久保裕紀監督(53)は「ねえ。今シーズン初貯金」と照れくさそうに自覚した。

 好投手の伊藤に対し「ワンチャンスをものにできるかというところで、ものにできた。5回はポイントでした」。2点を追う5回1死一、二塁で、海野に犠打を指示した。2死にしても一打同点の場面をつくり、牧原大が2点三塁打。指揮官は「まあ、結果論。牧原がよく打った」と劣勢を消すと、6回先頭の川瀬が右越えに決勝ソロを放った。

 10年目、通算785打席目でプロ初アーチ。守備力が武器の27歳は「プロで打てないと諦めていた」と派手にガッツポーズを決めた。対伊藤は昨季も17打数9安打。

「日本を代表する投手、同級生でもある。ライバル意識も持っている」と胸を張った。主力の故障続出のなか、最大借金7から巻き返し。常勝軍団で育ってきた男たちの集中力が光った。

 王球団会長の85歳の誕生日。15年以来、10年ぶりに白星も贈った。記念球を「両親に」と持ち帰った川瀬は「会長もびっくりだと思う。僕のホームランでは物足りないかもしれないけど」と“サプライズプレゼント”を添えた。小久保監督も現役時代から「意識していた」という5月20日に「勝利が何よりのプレゼント」と笑顔。首位・日本ハムも2・5ゲーム差の射程圏内だ。(安藤 理)

編集部おすすめ