演劇界の優れた業績を表彰する第50回菊田一夫演劇賞の授賞式が21日、都内で行われ、女優の長澤まさみが演劇賞を受賞した。

 長澤は、24年に日英で上演された舞台「正三角関係」(演出・野田秀樹氏)での唐松在良/グルーシェニカ役の演技が高く評価された。

本作は、ロシアの文豪ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」をモチーフに、花火師一家の3兄弟を軸に展開されるサスペンス。長澤と松本潤、永山瑛太の3兄弟役でも話題を呼んだ。

 長澤は、スリットの入ったタイトなロングドレスから美脚をのぞかせ登壇。受賞を受けて「とてもうれしく思っております」と笑顔がはじけた。同作では、3兄弟の三男できまじめな聖職者・在良と、妖艶な女性グルーシェニカという正反対の1人2役を演じ分け「ほぼ半年、(カンパニーで)一緒に作品を作る機会をいただいた。演劇学校に通っているような日々でした」と充実の表情を見せた。

 2000年に映画「クロスファイア」で女優デビュー。以降、数々の映画やドラマの話題作に出演し、スターダムを駆け上がった。舞台デビューは2011年「クレイジーハニー」。その当時を「映像からお芝居を始めたものでして、演劇というのは遠い存在のように感じていた場所でした」と回想。「ですが、思い切って舞台の上に立ってみたいと勇気を出したあの時が、今の自分自身に返ってきているなと感じます」とうなずいた。

 現在は、舞台「おどる夫婦」に主演中。

「まだまだやらなきゃいけないことはたくさんあるなと思うことの方が多いです。賞をいただいたことを、これからの糧と勇気に変えていきたい」と背筋を伸ばした。

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