俳優の伊東四朗(87)が21日、都内で行われた第50回「菊田一夫演劇賞」授賞式に出席した。

 伊東には「永年の舞台における功績」に対し、特別賞が贈られた。

ゆっくりした歩みで登壇した伊東は開口一番、「ご覧の通りのじいさんです。一時、ベンジャミン伊東(ニックネーム、「電線音頭」のキャラクター)と名乗った時期もありましたが、忘れてください」と言って笑いを誘い、場内の雰囲気を一瞬で和ませた。

 「昔、400日続けて舞台に出たこともあった。舞台人として褒められ、これほどうれしいことはない」と喜びをかみ締めた。そして「(登壇時に)人の手を借りたりしておりますが、舞台に出ると飛んだり跳ねたりしている。あいつ詐欺じゃねえか、と思われるかもしれない」と苦笑い。「これまで、舞台を見に来てくれた人に感謝。どっかで転んでたら、助けてください」と話し、締めくくりもユーモラスだった。

 伊東はコメディアンとして三波伸介さん(1982年没、享年52)らと「てんぷくトリオ」で一躍有名に。後に個性派俳優としてテレビドラマ、映画、舞台で認められるようになった。舞台「雪之丞変化」の闇太郎の好演が認められ、1990年度の菊田一夫演劇賞で演劇賞を受賞。昨年は東京・新橋演舞場公演「熱海五郎一座」で大役を演じ、第一線での存在感を発揮している。

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