◆JERA セ・リーグ 巨人1―2広島(27日・富山)
逆転を期待する富山のG党の大歓声がため息に変わった。1点を追う9回、阿部慎之助監督(46)は故障から1軍復帰して今季初出場の丸を代打で起用し、2死一、三塁の好機をつくったが、最後は増田陸が空振り三振。
打線は左腕・玉村に6回途中1失点の好投を許した。4番・岡本が長期離脱中で「もう一回、自己犠牲というのをしつこく言っていく」と掲げていた通り、中盤以降は小技を絡めた。1点を追う6回無死一塁で門脇、7回無死一塁では泉口が初球で送りバント成功。ともに得点につながらず「あと一本」の課題は残ったが、1点ずつ着実に取りにいくため、走者を得点圏に進める現状の戦い方は見えた。
投手起用でもアベ流マネジメントを実践した。セットアッパーの大勢が富山遠征に参加せずG球場で残留練習。今季は20登板で防御率1・31、5月は24、25日のヤクルト戦(東京D)を含め2度の連投で10登板と登板数が増えていた。「中継ぎはリフレッシュする期間もつくりたい」との考えを示していた阿部監督が休養を与えた。
丸を復帰即スタメン起用しなかったのも先を見て無理させないためだった。今季初めてオレンジの橙魂ユニホームで臨み1点差の惜敗。対広島はこれで4連敗となり対戦成績は3勝7敗となったが、我慢の1敗と切り替えられる。試合後はバスで金沢に向かった。5連勝で小休止。北陸シリーズ第2戦から仕切り直す。(片岡 優帆)