連盟創設100周年を迎えた東京六大学野球春季リーグ戦は31日から、最終週の早慶戦を迎える。早大が2勝0敗なら9勝4敗で勝ち点4の明大と並び、6月3日に両校による優勝決定戦が行われる。
開幕前には「優勝を絡めて早慶戦を迎えるのが、早稲田の監督としての使命」とも語っていた小宮山監督。大混戦の末、1敗もできない状況で早慶戦を迎える。
「結果的に優勝云々という話なんですけど、基本的には対抗戦。ましてや、『慶応相手に負けてはならぬ』という教育を受けてきた。今まさにその早慶戦が目の前にあるわけですから。選手も『打倒・慶応』ということでやってますし、ありがたいことに連勝すると優勝決定戦になるという状況。がぜん張り切らないわけないだろうと。そういうことですかね」
19日の明大2回戦では「負ければV逸」の崖っぷちから今秋ドラフト候補のエース・伊藤樹(4年=仙台育英)が明大相手に史上初のノーヒットノーランを達成。サヨナラ勝ちでの達成も史上初だった。チームは3回戦も8-6と打ち勝ち、2勝1敗とし、難敵相手に勝ち点を奪った。
「明治2回戦から最後に早慶戦連勝、さらには優勝決定戦に勝って、『怒涛の5連勝』でシーズンを終えるという。そういうふうに『怒涛の5連勝』をキャッチフレーズにしてますので」
自身も学生時代、早慶戦の大観衆に見つめられてプレーすることで、飛躍のきっかけをつかんだ。思い入れはひとしおだ。
「早稲田は早稲田で、慶応は慶応で、いろいろな思いがあっての早慶戦ですから。野球以外の競技も早慶っていうことでやっていますからね。こと野球に関して言うと、神宮球場のあのグラウンドに早慶戦に立った人にしか、あの武者奮いする感じは分からない。あの大歓声、これは本当に何物にも代えがたい」
ロッテと横浜でNPB通算117勝。ニューヨークメッツでも25試合に登板した指揮官にとっても、早慶戦の舞台は特別だという。
「その比ではない。ふざけたこと言ってんなよって経験したことない人には言われるかもしれないけど、本当に特別な舞台。4年間の8シーズンの、あの早慶戦の色々な歴史を踏まえたもの…身をもって経験すると、本当に何事にも代えがたいというのがありますね」
慶大は今春、5勝5敗2分けの勝ち点2だが、早慶戦には目の色を変えて立ち向かってくる。それは百も承知だ。
「意地と意地のぶつかり合いですから。我々としたら、連勝で、プレーオフに進んで、何が何でも3連覇と。がぜんやる気になって当たり前でしょうって話ですよ。1つ目取らないことには、2つ目はない。まずは初戦ですね」
時は来た。大観衆が歌う応援歌「紺碧の空」に背中を押され、正々堂々と勝ちに行く。