◆JERA セ・リーグ 中日1―4巨人(30日・バンテリンドーム)
6年連続の20セーブ。かつての大魔神・佐々木のようにライデルという名前だけで、もう抑えられる投手になっている。
彼の一番の良さは長身から投げ下ろす角度ある真っすぐとスプリット。加えて日本の野球を知り尽くしていることだね。160キロの球を投げることができるパワー投手なのに、日本ではそれが必要がないと中日時代に学んだだろう。あえてスピードは抑えて、変化球もコントロールしているから安定感が抜群だよ。
そして器用なところ。捕手のサインに首を振るとストレートの傾向が強いことを、古巣の捕手・木下は知っているからファウルで粘られたけれど、これを逆に利用して村松には首を振ってスプリットを投げて三振に取った。
首脳陣は研究熱心さも評価しているね。打者の特徴を調べるのはもちろん、バントシフトなども一生懸命、聞いてくるという。優秀な外国人投手が日本で失敗する理由のひとつに、クイックができるかどうかがあるんだけれど、彼はその重要性をちゃんと理解している点も大きい。
ランニング量も多いし、練習の時から投手陣の見本になっている。素晴らしい守護神を手に入れたよね。(スポーツ報知評論家・宮本 和知)