◆JERA セ・リーグ 中日1―4巨人(30日・バンテリンドーム)
巨人・赤星優志投手(25)は顔色一つ変えずにポンポンとグラブをたたいた。2―1と逆転してもらった直後の6回。
初回、先頭・上林に初球の直球を右翼席へ運ばれた。6回1失点だった16日(東京D)でも上林に同点ソロを浴びていただけに「前回やられているので」とリベンジに燃えていたが、またしても一発を許した。「プレーボールの初球、油断していたわけではない」と自身に言い聞かせるように切り替え、「3回からはどんどんゾーン内で投げ込めた」と最速150キロの直球にフォークやカットなどで6Kを奪い、試合をつくった。「(上林の一発は)悔いが残る一球ではなかったと自分では思う。あの球で空振り、ファウルが取れるようにもっとパワーアップしていかないと」と前を向いた。
1歳上の先輩に負けじと腕を振る。自主トレをともに行った山崎がここまで6勝をマーク。「伊織さんと比べられるように僕も頑張りたい」と赤星も背中を追う。
前回23日のヤクルト戦(東京D)で116球を投げ抜きプロ初完投初完封を挙げるなど、これで5試合連続のクオリティースタート(QS=6回以上自責3以内)を達成。「ここから勝ち星を重ねていけるように次に向けて頑張りたい」。先発陣の柱として、きらめきを放ち続ける。(水上 智恵)
【宮本和知Point】
赤星の特徴は初球のストライク率。初完封を成し遂げた23日のヤクルト戦では、4回まで14人の打者に対して13人が初球ストライク。この日も6回まで打者23人に初球のボールは3人だけ。ただ、その特徴を中日も狙っていた。初回、先頭の上林が初球の内角の直球をホームラン。そのため1、2回は真っすぐを投げるのをこわがって、ストライクが入らず逆球も多かった。