◆JERAセ・リーグ 広島2―5阪神(30日・マツダ)

 これが開幕投手たるゆえんだ。7回2死一塁、阪神・村上は113球目で佐々木から空振り三振を奪い、任務を終えた。

7回3安打1失点で12球団単独トップの7勝目。「点は簡単に取られたけど、粘って辛抱強く投げられた」。2回に先取点こそ与えたが、以降は被安打わずか1。最少失点で、逆転勝ちを呼び込んだ。

 勝つべき理由があった。29日に発表された球宴ファン投票のセ先発投手部門で巨人・山崎を抜き、トップに浮上。MVP&新人王の2年前もファン投票で選出され、先発マウンドに上がった。「ファンの方に投票して良かったと言われるように。1位の名に恥じないよう、結果を出し続けていきたい」。同い年で仲のいい2位の山崎とは1825票差。「この前、(山崎)伊織が6勝目を挙げていた。離したいなと思っていたので、勝てて良かった」。

ファン投票でも、勝利数でも、ライバルの一歩前に出た。

 藤川監督は「エースらしい投球」と絶賛。早くも昨季の勝利数に並んだ村上は「ここからどんどん伸ばしていきたい」と力強く誓った。チームは4カード連続で初戦をものにし、今季最多タイの貯金8で堅首。頼れる右腕がいる限り、阪神は強い。(直川 響)

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