◆JERA セ・リーグ 中日4―1巨人(1日・バンテリンドーム)
巨人は大勢投手(25)が崩れ、中日に連敗を喫した。同点の8回、暴投で決勝点を与えるなど3失点して今季初黒星。
予期せぬ形で試合が決した。1―1の8回。4番手の大勢が2死満塁を招くと、カリステへの4球目がこの日2度目の暴投となった。三塁走者が生還して勝ち越し点を献上。直後に中前へ2点適時打を許し、2/3回を自己ワーストタイ3失点で今季初黒星を喫した。交流戦前最終戦はバッテリーエラーも絡み、2戦連続で8回に決勝点を許した。阿部監督は責めることなく、初回の1得点だけで3回以降1安打に封じられた打線に目を向けた。
「一生懸命やったからしょうがないよ。その前に点を取れなかったんだから。
今季初めてセットアッパーとして過ごす大勢は、守護神・マルティネスと盤石の方程式を形成。ここまでチームに大きく貢献してきた。この日は23試合目の登板で試合前時点でリーグ2位の16ホールド、防御率1・19。リフレッシュ目的で5月27日の富山遠征に同行しないなど首脳陣の配慮を受けた中で期待に応えられず、「最近ピンチをつくることが多いし、迷惑をかけている。反省して、もっと勝利に貢献できるような投球をできるように」と雪辱を誓った。
連敗で3位に転落して交流戦を迎える形となったが、貯金はリーグVを果たした昨年同時期を2つ上回る4。阿部監督が夏場まで「五分でいい」と勝率5割を念頭に置く中、リリーフの3連投を避けるなど先を見ながら、3点差以内で28勝中23勝。主砲の岡本を左肘靱帯損傷で欠く状況で健闘しているチームに一定の手応えを感じている。
「若い選手がみんな頑張ってくれてるからね。今年ももちろん、毎年勝たなくちゃいけないのはあるんだけど。
昨年の交流戦前最終戦の野手スタメン平均年齢は31・5歳(12月までの満年齢)だったが、この日は同27・8歳。わずか1年で一気に若返った。岡本不在の危機で増田陸がブレイクし、泉口や若林らフレッシュな戦力が奮闘するなど、若手の台頭に乏しかった昨季とは雲泥の差だ。
ファームでは岡本が早期復帰に向けてリハビリに取り組んでおり、坂本や長野らが再調整中。「もちろん下にいてもがいているベテランの人たちも、必要な時は必ず来るから」。若手に経験を積ませるだけでなく、経験豊富なベテラン勢による“上積み”も見込んでいる。
首位・阪神に3ゲーム差の3位で、3日のロッテ戦から交流戦に臨む。昨季は8勝9敗1分けで耐え、夏からのスパートにつなげた。若手の奮闘に手応えを得つつ、「勝たせるっていうのが僕の仕事だと思う」と阿部監督。優勝した24年以上に前向きな要素を携え、交流戦に入る。(田中 哲)