巨人の甲斐拓也捕手(32)が、交流戦でパ・リーグ攻略の伝道師になる。昨季までの14年間をソフトバンクで過ごし、パを知り尽くす扇の要。
14年間ソフトバンクでプレーした甲斐の“パ”ソコンがフル回転する。同リーグで対戦してきた5球団、そして古巣と激突する交流戦。あらゆるデータを蓄積してきた扇の要として、打倒パを宣言した。
「対戦を何年もしてきているのである程度、データはあります。(相手チームの)変化はもちろんあると思うので、捕手としてしっかり見るべきところはいっぱい見てやります」
昨季まで1023試合に出場し、7度のゴールデン・グラブ賞を獲得。頭脳には経験に基づくデータがぎっしり詰まっている。阿部監督は「そういう情報はね、あれば伝えてもらおうかな」と、ナインに攻略法を伝授する役割も期待した。
ペナントを左右する18試合だ。ソフトバンク時代は交流戦Vを果たした17、19年は日本一。
3月12日のオープン戦(みずほペイペイ)ではソフトバンクと初対戦。スタメン発表や打席に入る際には、慣れ親しんだ元本拠地のスタンドから大歓声が巻き起こった。「たくさんの拍手をしていただいたのは野球選手として本当にうれしいことだなと思いました」。10日からは古巣との敵地3連戦が控えている。正捕手として巨人を勝利に導くことが、最大の恩返しになる。
交流戦初戦の3日・ロッテ戦は石川柊が先発予定で、いきなり元同僚との対決が実現する。「1カード、3試合しかない。大事にしないといけないことはたくさんある」。