◆第56回日本少年野球選手権大会 栃木県支部予選 ▽1回戦 真岡ボーイズ3x―2栃木ボーイズ=延長8回タイブレーク=(6月1日・宇都宮清原球場)

 夏の全国大会・エイジェックカップ第56回選手権大会(8月2~7日・大阪シティ信用金庫スタジアムほか)の支部予選が1日、5支部で開幕した。栃木では1回戦3試合が行われた。

真岡ボーイズは延長8回タイブレークでサヨナラ勝ちした。

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 苦しみ抜いた男が最高の場面で輝いた。延長8回1死満塁でのタイブレーク。表を0点でしのいだ直後、真岡の4番・品川悠惺(3年)が外角直球を中前に運ぶサヨナラ打。劇的な幕切れにヒーローは仲間の輪に飛び込んだ。

 「『自分が決める』と思って打席に入った」と品川。3回に一時勝ち越しとなる二塁打も放っていたが、直前まで極度の打撃不振に陥っていた。昨秋の新チームから4番抜てきも、冬場は腰を疲労骨折。1週間前には左太もも肉離れ。それでも佐藤浩映監督(37)は「4番を外さない。お前と心中する」と伝えていた。

 自宅でも手作りのネットに父親とティー打撃をするなど練習を欠かさなかった。

振り込んできた感覚がここぞの場面で力をくれた。

 指揮官は「あそこで回ってくるなんて、神様が粋なことをしてくれた」と目を真っ赤にしていた。迷わず信じ続けた監督と選手。絆が生んだ最高の結末だった。

 

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