◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク―中日(3日・みずほペイペイドーム)

 ソフトバンク・小久保裕紀監督が試合前に取材に応じ、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督をしのんだ。「戦後、プロ野球を国民的スポーツに押し上げていただいた代表的な、象徴的な方。

非常に残念です」と神妙な表情。球界の後輩として「ファンあってのプロ野球。その根底を一番体現されていた方。その遺志を引き継いで」と誓った。

 プロ1年目の94年のオープン戦で巨人・長嶋監督にあいさつ。「足を震わせながら」質問した。プロ野球の世界でやっていけるか自信が持てず「長嶋さんは、どうでしたか?」と尋ねた。「プロに入る前から、こういうプレーをすればファンに喜んでもらえるという姿をイメージできていた」と答えが返ってきたという。「そうハッキリおっしゃったので。自分がどういうプレーヤーになりたいのか、それをイメージすることが大事なんだと非常に学ばせてもらった。その言葉は非常に印象深く残っていますね」と明かした。

 自身も04~06年は巨人でプレー。

4番も担ったが「僕がジャイアンツでどうこうではなくて」と恐縮。「野球がここまでのスポーツになったのは本当に王さん、長嶋さんという二人が象徴だと思う。残念ながら、幼少期に長嶋さんが現役でプレーをしている記憶はないですが、それでも野球を始めたときには存在を知っていた選手。プロ野球を目指してやってこられたのも、長嶋さんたちが築かれたプロ野球があったから。本当に感謝を伝えたいと思います」と気持ちを込めた。

 王球団会長のもとで育ってきた小久保監督。王会長からも長嶋さんの秘話は伝えられている。「王会長は『この人には記憶では絶対に勝てない。記録で絶対に勝とうと思っていた』と、本人の口から聞きました」。王会長が遠征先のホテルで長嶋さんがヘルメットの飛ばし方を練習する姿を目撃。「『それを見た時に、記憶では勝てないと思った』と、おすし屋さんで聞きました」と明かした。

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