◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ロッテ2×―1巨人=延長10回=(5日・ZOZOマリン)

 巨人がロッテにサヨナラ負けし、パ・リーグ最下位相手に痛い連敗を喫した。山崎伊織投手(26)は今季最速154キロで9回1失点と好投したが、課題の打線が吉川尚輝内野手(30)のソロによる1得点に終わった。

最後は延長10回2死満塁から大勢が押し出し死球を与え、今季最長タイの4連敗で首位・阪神とは今季最大4・5ゲーム差に広がった。6日からは本拠地で楽天3連戦。3日に89歳で死去した長嶋茂雄さんが監督として549試合を戦った東京Dで、今度こそ弔い星を届ける。

 痛恨の幕切れだった。1―1の延長10回2死満塁。カウント1―2と追い込んでから大勢が投じた変化球が高部の足に当たった。まさかの死球で今季3度目のサヨナラ負けを喫した。3日に死去した長嶋茂雄さんに弔い星をまたも贈れず、交流戦連敗スタート。ロッテ戦の負け越しは7年ぶりで今季最長タイの4連敗となった。しばらくベンチに座ったままぼう然としていた阿部監督は、ベンチ裏へ引き揚げ、努めて冷静に敗戦を受け止めた。

 「大勢も予期せぬ形になっちゃったけど、ここまでたくさん抑えてくれていたんでね。責められないですよね」

 延長10回、2番手で登板した大勢は、先頭に安打を許すと、左翼・丸の失策も重なり無死二塁とされた。

犠打野選と申告敬遠で無死満塁。ここから2死を奪ったが、まさかの形で今季2敗目を喫した。暴投で決勝点を献上した1日の中日戦(バンテリンD)に続いて自身2連敗となり、「連日チームに迷惑をかけている。応援してくださっているファンの方にも情けない姿を見せている」と悔しさをあらわにした。

 ただ、阿部監督が言うように、大勢のここまでの貢献度は高い。先発・山崎は9回1失点の熱投でチームを鼓舞した。サヨナラ負けの一番の要因は10回1得点に終わった打線にある。昨年の交流戦で8回無得点に抑えられた種市を攻略できなかった。5回は吉川の同点ソロの後に2死一、二塁で決めきれず。8回2死満塁ではキャベッジが中飛に倒れた。10回1死一、二塁も無得点。中盤以降の好機を生かせず、阿部監督も「そこに尽きると思います」と敗因に挙げた。

 前日4日に阿部監督が「3点が今マックスじゃない」と話したように、得点力不足が続く。4日は3得点だったが、7回まで0点。4連敗中はセ5位の中日、パ最下位のロッテ相手に、得点は2→1→3→1。この2戦は対戦経験が少ない投手を相手に、若手中心の打線が手を焼く状況が続いた。

 首位・阪神とは今季最大の4・5ゲーム差に広がったが、6連戦が続く交流戦で下を向く暇はない。6日からは本拠地で楽天3連戦。長嶋さんが93~01年に監督として549試合、魂を焦がして戦った東京Dに舞台を移す。ミスターが旅立ってから、初めての本拠地。何としても追悼の白星を届ける。(田中 哲)

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