◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人0―2楽天(6日・東京ドーム)

 巨人は6日、8月16日の阪神戦(東京D)を「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催すると発表した。3日に肺炎のため89歳で死去した長嶋さんの現役時代の背番号で、球団の永久欠番「3」のユニホームを監督、コーチ、選手全員が着用する。

チームは楽天戦に「3」のワッペンをつけて臨んだが、今季6度目の完封負けでワースト5連敗となり、4位転落。交流戦開幕3連敗は17年以来だ。7日こそ、弔いの白星を届けたい。

 試合後、阿部監督は左胸の「3」を手で触って言葉を絞り出した。「一つ勝つのは難しいよって言ってくださっているのかもしれないですよね。そう思ってやります」。長嶋さんが亡くなってから3連敗。3度目の正直ならず、今季ワーストの5連敗で4位後退した。

 3日の長嶋さんの訃報(ふほう)以来、初めて本拠地の東京Dに戻った。全員がユニホームの左胸に長嶋さんの背番号「3」のワッペンをつけた。試合前には大型ビジョンでミスターの功績を振り返る特別映像が流れ、黙とうした。右翼席後方にある、長嶋さんがほほ笑む「セコム」のデジタル広告看板の文字は「セコムしてますか?」から「ミスター、感動をありがとう」に変更された。

 不動の4番・岡本を左肘靱帯(じんたい)損傷で欠く攻撃陣。吉川を今季初めて1番に入れるなど打線を改造したが、緩急を駆使する初対戦の右腕ハワードに7回4安打に抑えられた。直近5連敗中は計7得点。阿部監督は頭をフル回転させて打開策を探している。

 「みんな必死に勝とうと思ってやっているんだけどね。どう自分をコントロールするか。打てないイコール技術がないんだからね。使っているのは僕なんだけど。今いる戦力でやらないといけないから。そこを何とか打破して、つなぐ気持ちを持ってやるしかない。何とかできるものならしてあげたいけどフィールドに立つのは選手たちだから。そこは前向きな言葉もかけていきたいし、特に若い選手が多いのでね。

いい経験にして糧にしてほしい」

 01年9月30日の横浜戦、この年限りで勇退が決まっていた長嶋さんは、巨人監督として東京Dで最後の指揮を執った。試合後セレモニーでは引退する斎藤、村田真、槙原とスピーチ。「球団のさらなる発展、繁栄を期待して若い指揮官・原新監督にバトンを渡すことになりました」とあいさつし、松井から花束を受け取った。当時新人捕手の阿部監督はこの試合で先発出場していた。思いを継承して次世代につないでいく。

 楽天には23年から6連敗。セ球団で唯一の敗戦となり、首位・阪神とは5・5差に開いた。どんな時も前向きだった長嶋さんのように、切り替えて前進するしかない。(片岡 優帆)

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