◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人2―0楽天(7日・東京ドーム)

 決勝アーチの増田陸は1ストライクからフォークを簡単に捉えた。早いカウントで変化球を待っていたところを見ると、ヤマを張るタイプの打者だよな。

ある程度の力のある投手には、そのヤマを逆に読み切られることもあるだろうけど、若い打者はそれでいいんだよ。長嶋さんじゃあるまいし、何でも打てるわけじゃないんだから。

 これまでは待っていない球が来ると変なスイングで手を出してしまい、凡打になることも目立った。本当ならば、そんな時は見逃すことが必要なんだがね。それでも試合にずっと出してもらっていることで、落ち着きが出てきたというか、成長を感じる。もともと思い切りが良く、魅力のある打者。打線が振るわず、連敗中で閉塞(へいそく)感が漂う時に、その突破口を開いてくれるような打撃ができる。

 長嶋さんは思い切りの良くない若手を評価しなかった。小細工をすることは、どちらかというと嫌いだった。内か外か。真っすぐか変化球か。どちらかに目を付けて、これからもこの日のようなバッティングを続けていけばいい。

(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)

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