3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの通夜が7日に、告別式が8日に東京・品川の桐ヶ谷斎場「雲」で執り行われた。喪主の三奈さんは、長嶋さんの松井秀喜さんへの愛を7日の通夜で語った。

 長嶋さんは、プロ入り前から松井さんにほれ込み、1992年ドラフトで1位指名。三奈さんは「父は松井さんが世界で一番好きな方です」と断言し「もし、松井さんと私が同時で海に溺れたら、父は私じゃなくて真っ先に松井さんを助けに行くだろうなと、本気で私は考えたこともあります」と、その思いの強さを語った。

 さらに、松井さんがヤンキース入団1年目の2003年。長嶋さんは居ても立ってもいられず、ニューヨークに駆けつけたという。ニューヨークの格式高いプラザホテルのスイートルームから「松井、バットを持って今すぐ来い」と、すぐに電話をかけた。松井さんは「今からですか?」と、驚きつつも、バットをケースにしまわずに裸のまま、小脇に抱えてプラザホテルのロビーを歩いて行った。

 三奈さんは「私、その話は何度聞いても顔がほころんでしまいます」と思い返した。ニューヨークでの対面後は2人だけがいる部屋で、無言で松井氏の素振りの音だけが部屋に響いていたそうだ。

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