3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの通夜が7日に、告別式が8日に東京・品川の桐ヶ谷斎場「雲」で執り行われた。8日の告別式で弔辞を読んだ、巨人OBの中畑清氏は「やっぱり太陽の人だったんだなって改めて感じる」「本当に神様なんじゃないですかね」と存在の大きさを語った。

* * *

 ―今日、改めてどんな気持ちで迎えましたか?

 思い出がいっぱいに頭の中にわき出てきて。楽しい思い出ばっかりが出てくるんで、やっぱり太陽の人だったんだなって改めて感じるし、万人に対して、これほど幸せと笑顔と光を授けた人はいないんじゃないかなと。本当の神様なんじゃないですかね。もう二度と出てこないだろうし、その人との別れはやっぱりつらいです。

 つらいけど、残された我々がやるべきことっていうのは、「お前ら頑張れよ」と。「こんなことで下向いているんじゃないぞ」って。「前向きに頑張るんだぞ」ってね。遺影の顔がそう語ってくれているような、そんな気がしました。悲しみばかりじゃなく、胸張って前見ていけ、というメッセージをいただいたような気がします。頑張ります。

 親父が残してくれた全てのものを、真似できることはできませんけども、私の人生の中で、少しでも恩返しできるように頑張りたいなと思います。安からに眠ってほしいと思います。

お休みください。頑張って、頑張って、頑張り抜いた人生なんで、ここで一息入れて休んでもらいたいと思います。お疲れ様でした。

 ―弔辞を読んでいる中、ずっとミスターの顔写真を見ながらしゃべっていたと思うのですが。

 現実だった時間帯を思い出しながら、「ああ、こんなに練習してたよな」って。お互いに熱中して、ケンカ。命懸けの戦いをしてたな、というのを、しゃべりながら思い出してました。本当に命懸けで教えてくれたんだな、育ててくれたんだなっていうのは、宝物ですよね。こんな幸せな野球人でよかったのかと。神様のような野球人・長嶋茂雄とともに過ごした時間は、計り知れないほどの幸せな時間でしたから。それもまた大切にしまい込んで、前向きにいきたいと思います。ありがとうございました。

 ―弔辞ではノックを受けた時の話をされていましたけど、手に感触は残っていますか? 捕れないんだよ。計算した通りにさ。ダイビングして、飛び込んでも、飛び込んでも、捕れない所にね。計算したかのようにね、打ち分けるあのテクニックはね、本当、天才だね。

 打球の強弱ね。たまに捕らせてやろうというサービスボールを打ってくれた時のね、誰でも捕れるボールなんだけれど、「捕れた!」という喜びとね、監督に投げ返すあの時間帯がまたね。かわいいんですよ。「ヒョー、ヒョー」って言いながら。あの姿がね、忘れられない。二人にしかない時間なんで。「こんなに大切な時間だったんだ」って改めてまた感じました。話をしながら。

呼び起こしていましたね、本当。何やっても絵になる人だけど、何やっても選手を育てる執念。そういうものに携われたという、関わることができたという人生は、こんな幸せないですよ。本当に感謝です。ありがとうございました。

編集部おすすめ