◆第75回安田記念・G1(6月8日、東京競馬場・芝1600メートル、良)

 春のマイル王決定戦にG1馬5頭を含む18頭が出走し、2番人気のジャンタルマンタル(牡4歳、栗東・高野友和厩舎、父パレスマリス)が好位追走から直線で堂々と抜け出し、3度目のG1勝利(重賞は4勝目)を果たした。川田将雅騎手は15年モーリス、17年サトノアラジン、21年ダノンキングリーに続く勝利で武豊騎手、岡部幸雄元騎手を超え、歴代単独最多の4勝目。

なお、NHKマイルCの勝ち馬が安田記念で勝ったのは初めてとなる。勝ちタイムは1分32秒7。

 同馬は23年にデビュー3連勝で朝日杯FSを制し、最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得。昨年はNHKマイルCで勝ったが、秋初戦に予定していた富士Sは発熱のため回避。7か月ぶりで迎えた香港マイルは13着に敗れていた。今春は安田記念一本に目標を絞り、ここで昨年の3歳マイル王が完全復活の走りを見せた。

 2着は9番人気のガイアフォース(吉村誠之助騎手)、3着は1番人気のソウルラッシュ(浜中俊騎手)が入った。

 高野調教師(ジャンタルマンタル=1着)「惨敗後、疲れ切ったところからのG1の勝利ですから。ここまで携わってくれたみなさまに感謝したいですし、馬が一生懸命に頑張ってくれたので、馬に一番の感謝をしたいです。

 香港から帰ってきて、社台山元ファームのみなさまも『本当のジャンタルではない』と思ったように、疲れていたし、ガレていました。そこからG1を勝てるところまで持っていくのは本当に大変だったと思いますし、厩舎に引き継いでからもスタッフがこの馬に時間をかけてくれました。

 レースの内容的には素晴らしく、苦しいところからの横綱競馬でした。

香港では期待に応えられず、馬の成績を傷つけてしまって、かわいそうなことになってしまい、応援してくださった皆様につらい競馬になってしまいました。また輝きを取り戻し、第2章が始まったと思います。飛躍させて、もっといい評価を得たうえで馬産地に返したいと思います」

編集部おすすめ