3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの告別式が8日、都内の桐ケ谷斎場で営まれた。盟友でソフトバンク球団会長の王貞治氏(85)、巨人OB会長の中畑清氏(71)、まな弟子の元巨人・松井秀喜氏(50)=ヤンキースGM特別アドバイザー=が弔辞を読み、球団OBなど96人の参列者が約1時間半、別れを惜しんだ。
巨人前監督でオーナー付特別顧問の原辰徳氏(66)は7日に行われた通夜では弔辞を読んで、故人をしのんだ。
憧れの長嶋さんからドラフト会議当日に電話をもらったこと。99年から3年間、長嶋監督をコーチとして支えながら帝王学を伝授されたことなど、思い出を明かした。
長嶋監督の下、ヘッドコーチを務めていた01年9月27日、広島との試合を終えると、監督室に呼ばれた。ノックして入ると、目の前に長嶋さんが直立して待っていた。「いつもと違う雰囲気に圧倒されていると、『来年から原監督だ。おめでとう』と右手を差し出してくれました。何が起きているかよくわからないままに、両手でその手を握り返しましたが、そのときの長嶋さんの手の熱さに足はガクガク震え、同時に責任の重さを感じました」と“監督禅譲”の瞬間を回想した。
長嶋さんの薫陶を受け、巨人軍監督最多の1291勝を挙げた原さん。「常に勝負に厳しく、ファンのことを第一に考えられていた長嶋さん。
原さんのミスターへの感謝の思いは尽きない。「これから野球ファン、長嶋ファンの前では『長嶋さんってこうだったんですよ』っていう話は伝えていきたい」とミスターの“伝説”を語り継いでいくことを約束した。