◆プロボクシング バンタム級10回戦 〇那須川天心(判定3―0)ビクトル・サンティリャン●(8日、東京・有明コロシアム)
那須川天心(帝拳)は世界前哨戦を大差の判定勝ちでクリア。11月に計画するバンタム級での世界初挑戦に前進した。
内容では圧倒したがKOはしきれなかった。試合を振り返ると「やっぱり倒して勝てるのが理想的。もっと鮮やかに勝ったり、倒しもしたかった。もう一個先の景色を見たい」と後悔が口をつく。WBA6位の相手のいなし方が「うまかった」と評価しつつも、状況判断の遅さに悔いがあり「試合で出るじゃないですか、詰めの甘さ」と自らダメ出しした。
反省だけで終わらないのが天心でもある。
「自分もちょっといろんなことを考え過ぎて小さくなりすぎているのかなというのもある」
「ボクシングの奥深さにとりつかれている。だからこそ、きれいにやりすぎているというのもある。もっとボクシングの見方を変えて」
プロ転向7戦目を客観視し、自ら課題を口にして導き出した結論が、「ロックな男になる」だった。
「もっと自分を破壊するしかないと思う。
世界初挑戦は11月にも実現する可能性がある。
「普通の7戦目だったら満足してもらえるし良かったと思うが、そうもいかない。強いチャンピオンたくさんいる。そういう選手と戦っていかないといけない。もう、やるしかないので。しっかり世界というものをもう一度、見つめ直して真摯に向き合っていきたい」
目線を世界のてっぺんにも足元にも向けながら、来たる時に備える。
◆那須川 天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉・松戸市生まれ。26歳。5歳で極真空手を始める。2014年、15歳でキックボクシングでプロデビュー。