歌舞伎俳優の市川團十郎が9日、都内で歌舞伎座「七月大歌舞伎」(7月5~26日)の取材会を行った。
成田屋の家の芸「新歌舞伎十八番」から「大森彦七」「船弁慶」「高時」「紅葉狩」を一挙上演する。
團十郎は18年ぶりとなる「船弁慶」で静御前と新中納言平知盛の霊、19年ぶりとなる「紅葉狩」で更科姫実は戸隠山の鬼女を演じる。「船弁慶」と「紅葉狩」はいずれも変化舞踊で「似ていると思われる方もいらっしゃると思いますが、やる側はだいぶ違う。そのディテールを見ていただきたい」。日頃はあまり演じることのない女形については「まあまあ、かわいらしくやろうかな」と抱負を語った。
新歌舞伎十八番を制定した9代目市川團十郎は、明治の歌舞伎界を支えた名優で「劇聖」と称される。9代目團十郎の功績として、歌舞伎の高尚化に取り組んだ面もあり「いい意味で歌舞伎の敷居を上げた人」と敬意を表した。「紅葉狩」では長男・市川新之助、長女・市川ぼたんとも共演する。