プロレス界の“レジェンド”藤波辰爾が12日に後楽園ホールで行われるストロングスタイルプロレスに参戦する。
大会は4月21日に90歳で亡くなった団体会長を務める“過激な仕掛人”新間寿さんの追悼興行として開催。
藤波は新間さんへの感謝をまずは明かした。
「新間さんはプロレスというかイベントに対する感性が本当に凄くて、お客さんの目線とか選手のモチベーションというのをすごく見ていました。そういうのが後々分かるんですよね、時間が経ってくると。今の僕というのは新間さん抜きには考えられないです」
そして秘話を披露した。
「ニューヨークで(カルロス・ホセ・)エストラーダとやって初めてベルトを獲った時も、もうこっちはテンパって目が回って倒れそうなのに、新間さんがリングに上がる前に耳元で『いいか、何かやれよ』って言うんです(苦笑)。“この人はなんて非情なことを言うのか”と思いましたけど、それで出たのがドラゴン・スープレックスです。それまでゴッチさんのところで練習してやり方は分かっていたけど、リングに上がったらもう舞い上がって、新間さんのあの言葉がなかったらあれはやっていなかった。今もあの言葉は耳に焼きついてます」
さらにこう続けた。
「日本に帰って凱旋帰国ってなって、そうしたら新間さんがまた『いいかカンピオン、今日もなんかやれよ』って。ニューヨークでチャンピオンになってから、新間さんはカンピオンと名前をつけてくれて。メキシコではチャンピオンでなくカンピオンというんです。それでメキシコへの遠征に新間さんもよくついて行ってくれていたので。だから新間さんの『何かやれよ』と、ゴッチさんのところで練習したのが結びついて、名前にドラゴンがつく技、ドラゴンスクリューもドラゴン・バックフリーカーも生まれたんです」
追悼マッチへの思いを明かした。
「村上とは久々ですね。またリングで会うことがあると思っていなかったから懐かしく思ってます。僕はどこのリングに立とうが、こうやって現役でリングに上がれる以上は、新間さんに『何かやれよ』って言われた時の気持ちを捨てたくないと思ってます。精一杯頑張って、新間さんに捧げる試合をしたいです。ただ顔見せでリングに上がっている訳ではないし、リングに上がる以上は今自分ができる限りの体を、ちゃんと手入れをしてリングに上がりたいです。昔、山本小鉄さんが新日本プロレスで鬼軍曹って呼ばれていた頃、小鉄さんが口を酸っぱくして『プロレスラーというのはお金を取ってお客さんに見せているのだから、お金を取れる体を作れ』と言っていました。試合はキャリア積んでくればいろんな技が出てきて、上手くなるのは当たり前だけど、体は自分で作らなければいけないと。
◆6・12「新間寿追悼興行」全対戦カード
▼メインイベント レジェンド選手権
王者・船木誠勝 vs 挑戦者・新崎人生
▼WメインイベントSSPW認定女子タッグ選手権
王者組・ジャガー横田、藪下めぐみ vs 挑戦者組・DASH・チサコ、鈴木ユラ
▼タッグマッチ30分1本勝負
藤波辰爾、スーパー・タイガー vs 村上和成、ブラック・タイガー
▼タッグマッチ15分1本勝負
ザ・グレート・サスケ、阿部史典 vs ディック東郷、日高郁人
▼ハウスデコpresentsタッグマッチ30分1本勝負
大仁田厚、雷神矢口 vs 間下隼人、関根“シュレック”秀樹
▼15分1本勝負
Sareee vs 花穂ノ利
▼15分1本勝負
MIRAI vs ソイ