◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス8―3巨人(15日・京セラドーム大阪)

 戸郷翔征投手(25)は思わず「あぁ~」と声をあげ、天を仰いだ。1―0の5回。

先頭から連打を浴び無死一、三塁で宗にフォークを捉えられて同点の右前適時打。さらに1死一、三塁では森に勝ち越し打を許した。頓宮、西川にも連打でこの回一挙5失点と崩れた。

 5回9安打5失点KOで5敗目。「先制点を取ってくれて、その中で次のイニングを抑えられなかったっていうところは技術不足だと思います」と唇をかんだ。

 流れを食い止めることはできなかった。序盤は最速149キロの直球にフォークなどでテンポ良くオリックス打線を4回まで無失点に封じていたが、3イニングで先頭を出し、5回に一気に崩れた。「組み立て的にも苦しい状況で後手に回ってしまったカウントも多かった。勝負したいところでいけない苦しさもあった」と本来の投球ができず。阿部監督も「もう見たまんまだと思います」と苦い表情だった。

 この日は父の日。父・健治さんは幼い頃から、野球の練習道具を作ってくれ、ランニングの際は、自転車で後ろを追いかけてくれた。

「何に対しても負けず嫌いで僕と似ている」という父に感謝の勝利はお預けとなった。「三振も(3つで)少なかったですし、いいピッチングにつながらなかった。また頑張りたいと思います」と背番号20。前を向き、次戦に備えるしかない。(水上 智恵)

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