◆日本生命セ・パ交流戦 2025 楽天3×―2阪神=延長12回=(15日・楽天モバイル)

 目を覆いたくなるような光景が広がった。延長12回1死一、三塁だ。

代打・黒川の二塁内野安打で2試合連続、今季4度目のサヨナラ負け。阪神・藤川球児監督(44)は表情を失った。前日の14日まで、球団では49年ぶりとなる5戦連続逆転負け。負の連鎖を止めるべく死力を尽くしたが、結末は残酷だった。22年8月以来、3年ぶりの6連敗。楽天戦の7連敗も球団初だ。悪夢は終わらなかった。

 緩慢走塁が結果的に痛かった。延長11回、先頭の佐藤輝は右中間へ大飛球を放った。悠然と「確信歩き」。勝ち越しソロのはずが、フェンス直撃だった。二塁にすら進めず、短打どまり。

その後の攻撃は無得点に終わり、指揮官は「自分の責任として、しっかり火曜日からやらなければと思っています」とファンに謝罪した。テレビ解説で楽天モバイルを訪れていた岡田オーナー付顧問も厳しい表情。「論外やろ。打ったら走る。当たり前やろ。それだけやんか」と、昨年までの監督時代を思い出すような口ぶりだった。

 同点に追いついた直後の7回からリリーフ陣の軸を担う及川、岩崎、湯浅がそろって複数イニングを消化。岩崎にとっては4年ぶりの回またぎとなり「あした(16日)はゲームがないので。精いっぱいやってくれた」と執念継投の意図を明かした。

 6連敗中の平均得点は1試合2・16点。攻撃力の低下も厳しい結果につながっている。「自分自身も厳しい目で自分を見る。

みんなを含めて。糧にして戦う」と藤川監督。佐藤輝は「あしたまたしっかり休んで、頑張る」と声を振り絞った。この日はセ6球団が全敗。2位・DeNAと2・5差のまま、変わらないことが不幸中の幸いだ。3連勝中の本拠地・甲子園に戻り、17日からロッテ、ソフトバンクと6連戦。巻き返すしかない。(中野 雄太)

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