◆報知新聞社後援 第74回全日本大学野球選手権▽決勝 東北福祉大8―1福井工大(15日・神宮)

 決勝が行われ、東北福祉大(仙台六大学)が福井工大(北陸大学)に15安打8得点で大勝し、7年ぶり4度目の優勝を決めた。3番の佐藤悠太外野手(3年)が適時三塁打を含む3安打でMVPを獲得。

準決勝の青学大戦から2日連続で先発し、1失点で完投した最速151キロの今秋ドラフト候補右腕・桜井頼之介(4年)が最優秀投手賞に輝いた。5試合計59安打はチーム大会最多安打の新記録。佐々木主浩(元横浜)、金本知憲(元阪神)ら多くのプロを輩出した東北の強豪が再び日本一となった。

 6月の神宮に、季節外れの桜が咲いた。東北福祉大のエース・桜井頼は準決勝、決勝と2日連続の先発で、7安打1失点完投。優勝インタビューでは仲間への感謝を口にした。「疲労がたまってしんどい投球になったが、応援やベンチのみんなが声をかけてくれて、何とか投げ切れた」。魂の118球で最後のマウンドに君臨した。

 疲れもある中、変化球主体で勝負した。「役割はチームを勝たせること」。冬場のランニングで鍛えた下半身が支えてくれた。疲労回復には「果物を多く食べたり、オレンジジュースをいっぱい飲んだりと」。

直球は9回にも150キロを計測。スタミナは無尽蔵だった。

 昨年のリーグ戦は仙台大が春秋連覇。「モチベーションは仙台大に勝つというだけでした。去年までは個々の能力がすごく高いチームだったが、チームワークや団結力が少し欠けていた」。今年は「全員で勝つ」を目標に掲げ、思いを背負って力投した。進路は「プロ一本」。173センチの“小さな巨人”は「名前の通り、頼られる選手になっていきたい」。頼もしい表情で、さらなる飛躍を誓った。(加藤 弘士)

 ◆桜井 頼之介(さくらい・よりのすけ)2003年7月21日、兵庫・尼崎市生まれ。21歳。難波小1年から難波ホークスで遊撃手。

尼崎中央中時代は尼崎ボーイズで遊撃手。愛媛・聖カタリナ学園では三塁手兼投手で1年秋からベンチ入り。2年秋に本格的に投手転向し、四国大会準V。3年春にセンバツ出場。3年夏は県準V。50メートル走6秒2。遠投120メートル。好きな言葉は「努力に勝る天才はなし」。173センチ、66キロ。右投右打。

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